エクストリーム信号処理:数理モデリングと深層学習の統合によるスモールデータ解析
【研究キーワード】
信号処理 / 数理モデリング / 深層学習 / グラフ深層学習 / 深層展開 / グラフ信号処理 / グラフ学習 / サンプリング定理
【研究成果の概要】
本年度においては,エクストリーム信号処理のための理論的検討の核となる,以下の3点に関する研究を行った.
1) 深層展開によるグラフ上データの復元:深層展開(deep algorithm unrolling; DAU)は,(凸)最適化の繰り返し処理アルゴリズムのパラメータを誤差逆伝播法などの深層学習技術を用いて学習データから調整する手法の一群である.本年度では,深層展開をグラフ上データ復元のために利用可能とした.数値シミュレーションにおいて,従来の数理モデル手法および深層学習手法と比較し,高性能な復元性能を示すことを確認した.
2) 特徴空間での幾何的な構造を考慮したグラフニューラルネットワーク:グラフニューラルネットワークは,深層学習技術をネットワーク上データに適用した手法であり,機械学習分野で注目を集めている.一方で,画像認識分野で畳込みニューラルネットワークが示したような劇的な性能向上を果たすには至っていない.本年度においては,グラフニューラルネットワークの各層において特徴量がなす「構造」(特徴量間の角度等)を考慮に入れた手法を提案した.点群の分類や被引用ネットワークの分類で優れた性能を示すことを確認した.
3) 多重解像度グラフ学習:ネットワーク上のデータを解析するためには,まずネットワークが必要である.一方で,潜在的なネットワークがあることは期待されるものの,陽に与えられていない状況が存在する.例えばセンサネットワークや環境データなどが代表的である.このために必要な技術が,データからネットワークを学習するグラフ学習である.典型的にはネットワークは時間的に変動する.しかしながら,どの時間的タイミングで変化するかは必ずしも明確ではない.本年度は,時間的に多重解像度を許容するグラフ学習手法を提案した.気温データ等で季節的なネットワークが学習できることを確認した.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
田中 聡久 | 東京農工大学 | 工学(系)研究科(研究院) | 教授 | (Kakenデータベース) |
石田 寛 | 東京農工大学 | 工学(系)研究科(研究院) | 教授 | (Kakenデータベース) |
小野 峻佑 | 東京工業大学 | 情報理工学院 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)