オンデマンド膵臓刺激による2型糖尿病のデジタルコントロールの数理
【研究キーワード】
数理モデル / 膵ベータ細胞 / シミュレーション / カオス制御 / 膵β細胞 / バースト発火 / 同期 / ネットワーク / 機械学習
【研究成果の概要】
本研究では, 2型糖尿病患者の膵臓内の膵β細胞を物理的に刺激することにより、そのインスリン分泌機能を調整するための数理的アプローチを検討する。特に、機能不全となった細胞の数理モデル化や膵臓刺激設計法の開発を目的とする。本年度は、膵β細胞単一細胞の数理モデル解析を非線形ダイナミクス制御の観点から進めた。具体的には、膵β細胞の数理モデルとしてChayモデルとRizモデルに対してフィードバック制御システムを構築し、その制御過程を数値的に解析した。これにより、低いコストでかつオンデマンドに制御する方法論を構築した。これは、膵β細胞のもつ非線形ダイナミクスを、その機能改善のために効果的に活用するための刺激設計の方法論にも繋げられる。さらに、膵ベータ細胞のインスリン分泌に与えるイオンチャネルの影響を詳細に調査した。その結果TRPM2チャネルがカルシウム依存チャネルを活性化しインスリン分泌を促進する効果があることがわかった。加えて糖尿病疾患の医療データを秘匿性を保ったまま共有する技術に関する検討チームに加わって、実データ検証を行った。
以上の成果は、3本の査読付き国際誌論文、さらには1つの国内研究会において発表した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
藤原 寛太郎 | 東京大学 | ニューロインテリジェンス国際研究機構 | 特任准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2019-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)