デジタル化したマザリナード文書の恒久的保存・利用体制の確立に関する総合研究
【研究キーワード】
マザリナード / デジタル人文学 / 電子コーパス / デジタル化 / 知の集積 / デジタルヒューマニティーズ / オンライン電子コーパス / 17世紀フランス / 印刷術 / mazarinades / コーパス / フランス史 / フランス文学 / フロンドの乱 / 日仏共同研究 / 文学 / 歴史
【研究成果の概要】
本研究はマザリナード文書の電子コーパスを中心に構築されたインターネット上の研究用プラットフォームmazarinades.orgの恒久的保存と利用体制を三つの柱(コーパスの充実、研究活動の維持、成果発表)によって支えることを目指している。これは未来のデジタルヒューマニティーズの方法論として、作成されたデジタルデータをより長い期間有効に利用できるように自立した研究活動のエコシステムを構築する実験でもある。
初年度にあたる2019年度は核となる電子コーパスをより豊かで堅牢にすることから着手した。フランスの研究協力者であるボルドー市立図書館およびエクサンプロヴァンス・メジャーヌ図書館から提供されたマザリナード文書の画像データをテクストデータに変換し、さらにmazarinades.orgに新しい機能(一括で一文書を表示できるようにするなど)を加えることである(ただし、転写作業の業務委託先の突然の廃業により、メジャーヌ図書館の転写作業が中断したため補助金を繰り越すことになった)。
次に研究活動の維持として、2020年8月にフランスで開催される予定の国際学会を準備するため学術委員会と運営委員会を組織し、それらの委員たちとフランスにおいて会議を行い、この国際学会の位置づけ等を日本側がリードする形で協議した。同時にこの会議のための渡仏を利用し、次の新しい研究課題である地方のマザリナード文書を発掘するためにボルドー公文書館、サルラ町立図書館等で文献の調査を行った。
三つ目の課題である成果発表として、2016年に東大駒場キャンパスで行われた国際シンポジウム「マザリナード文書探求」の8本の論文の翻訳を開始した。この8本は本研究の電子コーパスを使うという条件で達成された研究成果である。つまり現在のこの研究分野の最先端の知見であり、「マザリナード文書」を日本語で記述する言語の確定である。
【研究代表者】