戦略的産業政策:不確実性下の技術開発における共同研究
【研究分野】経済政策(含経済事情)
【研究キーワード】
研究開発(R&D) / 共同研究ベンチャー(RJV) / 多国籍企業 / 戦略的投資 / 技術提携 / 研究組織とガバナンス / 技術政策 / 多国籍企業(MNE) / R & D投資 / 直接投資(FDI) / 非対称情報 / エージェント契約 / モラルハザード / 研究委託 / R&D投資 / 工程革新的技術開発 / 直接投資 / 輸出 / 投資戦略 / 貿易障壁 / 技術のスピルオーバー / 協力・非協力的な研究組織 / 技術戦略 / R&D / 共同研究 / 産業政策 / 貿易政策 / 寡占
【研究成果の概要】
企業や政府は戦略的な動機に基づいて研究開発を行うが、経済主体間の相互依存度が強まる中、財市場や研究開発投資における競争状態、即ち市場構造、は技術開発成果にどのように影響を与えるであろうか。企業が研究開発投資を行うとき、技術開発の上で規模の経済を活用する、あるいは技術のスピルオーバーを回避しようと戦略的に共同研究を行うことは珍しくない。しかし利害の異なる主体が協力関係を形成しても、非対称情報がX-非効率を引き起こしかねない。また技術開発には不確実性があるため、効率的な投資戦略が不可欠である。希少な資源をどのように配分して効率的な技術開発を行うか、また効率的な技術開発には何が必要か、といった資源配分あるいは効率性改善の問題に直面する。一方、研究開発が生み出す知識・技術は公共財の特性を持つため、研究開発活動を市場に委ねるだけでは効率的な資源配分は実現しない。市場の失敗を補うためにはどのような仕組みが必要であろうか。市場構造と技術開発投資と技術政策の相互関係を、不完全情報を仮定して体系的に考察する必要がある。
しかし、従来の研究では不確実性や非対称情報を仮定したうえで、市場構造と企業の技術投資戦略を包括的に研究しているものは非常に少ない。そこで本研究では、不確実性や非対称情報を仮定し、マクロ的な技術政策やマイクロ的な多国籍化する企業の投資戦略について以下のように考察した。
1.企業の技術投資、対外投資戦略や政府の技術政策に関する理論的な先行研究のサーベイ
2.資源制約下、多国籍企業のR&D投資と直接投資の投資戦略を内生化してモデルを構築した
3.技術の不確実性と組織内の非対称情報を仮定し、市場構造と開発成果の関係を考察した
【研究代表者】
【研究分担者】 |
石井 安憲 | 早稲田大学 | 政治経済学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2001 - 2004
【配分額】2,800千円 (直接経費: 2,800千円)