「研究に真に使える」歴史資料情報基盤の構築―データ持続性研究と人文情報学の実践―
【研究分野】図書館情報学・人文社会情報学
【研究キーワード】
人文情報学 / 歴史情報学 / デジタルアーカイブ / 歴史情報 / Linked Data / IIIF / TEI / 総合資料学 / 歴史資料 / 博物館情報
【研究成果の概要】
IIIFにかかわるデジタル・アーカイブシステムを構築し、公開した。前年度までに構築していたIIIFのシステムは相互運用性等を確保するという観点からの成果を上げていた。しかし、一方で人文系の研究者など、情報技術の専門ではないユーザからの閲覧という観点からは、そもそもIIIFのビューアのみでは決して快適ではないという課題があった。IIIFとRDFおよびTEIの連携という観点において、まずはこれを解決すべきと考え、閲覧を容易にするとともに、目録に加え画像にもランディングページを作成することで、両者の連携についても容易なものとした。また、歴史資料の活用の際に課題となっている、データ粒度の問題の一つも、この成果により道筋をつけることができたと考える。この一点ごとの「デジタルアーカイブ」と、関連したシステムの組み合わせにより、さまざまなニーズの研究者に対応するための、データプラットフォーム構築のためのシステム設計への着想も、あわせて得ることができた。
メタデータの検討に関しても、既存の有力なデジタルアーカイブシステムの検討をベースにした、集中的な検証を実施した。融通の利くデータ構造と、特に情報系の研究者にとって利活用可能なしくみのバランスを考え、あらたなしくみの可能性について検討を行った。具体的にはSchema.orgのしくみを基本とし、これ以外のメタデータを組み合わせるという手法を検討することが、現実的な解決方法であると考えた。
また、TEIについても検証の終了を終え、実装への準備を整えた。
これらの研究成果については、DH2019などの国際会議で発表を行い、国内外へと広く公開した。
【研究代表者】