情報教育のためのグループウェア技術に関する研究
【研究分野】教育工学
【研究キーワード】
情報教育 / グループウェア / データベース / 電子掲示版 / 情報活用能力 / 遠隔教育 / 電子掲示板 / インターネット / 学校教育 / ハイパーテキスト
【研究成果の概要】
情報教育を効果的に実施するには、日常的なコミュニケーションツールとしてのコンピユ-タ環境の準備と、目的に応じて協同の作業ができるグループウェアの技術的検討、そのような場における利用者の行動変容の分析などが必要である。ここで、筆者らは学内ネットワークを活用して情報教育用の環境を構築し、協同学習が可能なデータベース型電子掲示板を開発した。本システムは、関心を持つ学生や教官間の情報提供の場として活用されるよう、すなわち協調的な作業を支援するための場としての役割を果たすことを目的として設計された。WWWの統一した操作環境で、10の会議室が用意された。それぞれの会議室では、日付、送信者、題名、発言内容の他、発言内容に直接リンクがはれるよう工夫した。また、このような学習環境での学生の行動変容を分析し、今後のグループウェア技術開発の基礎データを収集した。ここでは、特に初心者の学生におけるつまづきの問題が指摘された。パスワード設定における指導の問題、アドレスの単純なタイプミス等使い慣れた者にとっては何でもないことがらでも、導入時のつまづきがその後の活用頻度に影響することが指摘された。さらに指導上では、教官の役割よりも学生により近いインストラクターの役割の重要性も指摘された。授業内容そのものの変革も今後の問題として明らかにされた。この授業内容の変革という点に関して、試みとして、北アイルランドとの遠隔教育を試みた。定量的に教育効果を明らかにするまでには至らなかったが、学生たちの間に、学習内容そのものの理解を深めるための活動に積極的に取り組む姿勢や自己教育的学習の姿勢が認められるようになった。
本研究では、技術的側面の開発より授業を実施しての行動的変容の分析が主になったが、本結果は今後の情報教育用システム開発の基礎データとして役立てられる。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
成瀬 喜則 (成瀬 善則) | 富山商船高等専門学校 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
向後 千春 | 富山大学 | 教育学部 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】一般研究(C)
【研究期間】1994 - 1995
【配分額】2,200千円 (直接経費: 2,200千円)