身体空間拡張手法に基づくトイ・メディア・コミュニケーションに関する研究
【研究分野】知能機械学・機械システム
【研究キーワード】
ヒューマンインターフェイス / バーチャルリアリティ / グループウエア / 対人コミュニケーション / メディア・電子ネットワーク
【研究成果の概要】
昨年度において,小型のトイディスクを回転させると同期して相手の椅子が回転するシステム,さらには自身の椅子を回転させることで相手の椅子も回転させるコミュニケーションシステムを開発した.本年度は,その回転椅子型トイコミュニケーションシステムを利用したコミュニケーション実験のために,実験システム,データ解析ソフトを開発し,さらに実験,およびデモンストレーションを行った.実験システムに関しては,昨年度開発した回転椅子アクチュエータユニットでは,椅子の回転角度を数度単位で制御することが困難であったため,椅子部と軸部の接合機構,およびその制御ソフトを設計開発することで,より精度高く,2台の椅子の同期回転制御を実現した.そして,2台の回転椅子ユニットを制御するコンピューターの時刻を計測し,データ処理時にその時刻を同期させることで,データ通信時間遅れを考慮した,回転角度位置,トルクの時間変位を計測するソフトウェアの開発を行った.さらには,計測データに様々な処理を施すための再サンプリングや相関を算出する処理ソフトウェアの開発も行った.これら新たに開発したシステムを利用し,遠隔コミュニケーション実験を行った結果,自身の椅子の動きと相手の椅子の動きを同期して動かすシステムの方が,自身のディスクの動きによって相手の椅子の動きを同期して動かすシステムと比較して,互いの椅子の動きを一致しやすく,相手との身体的つながりが強まる可能性を確認した.さらには,本システムを小中高生から保護者まで(30名程度)という極めて幅広い対象において体験してもらうデモンストレーションも行った.
【研究代表者】
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2004 - 2005
【配分額】3,200千円 (直接経費: 3,200千円)