有限長解析情報理論と最適化理論による実用高信頼高効率通信に向けた相乗的基礎研究
【研究分野】通信・ネットワーク工学
【研究キーワード】
有限長解析 / 最適化問題 / 情報源符号化 / ベイズ符号 / 符号構成 / 重み分布 / 符号化レートの有限長解析 / スムースレニーエントロピー / 情報理論 / 最適化理論
【研究成果の概要】
本研究では,最終的に,(a)符号化レートや誤り確率の理論限界を,実用的なデータ長や実用的な誤り確率を許して数値として導出する,(b)符号化復号システム全体を大きな最適化問題として定式化し,より実用的な制約のもと(準)最適な符号と復号の組として求める,というように,理論とアルゴリズムの研究を接近させ,融合・発展させること目標としている.本年度は,昨年度に引き続き,(a)に関連した研究として以下の(a')を,(b)に関連した研究として以下の(b')(c')(d')の研究を行った.その結果,(a')に関しては以下の(R-1),(b')に関しては(R-2)と(R-3),(c')に関しては(R-4)の結果を得た.
(a') データ圧縮の研究である情報源符号化問題における,有限のデータ長に対する符号化レート,誤り確率等の理論限界の導出.及び他分野への応用.(b') 情報源符号化問題における効率的な符号化復号アルゴリズムの構築.及び他分野への応用.
(R-1)ベイズ符号は,無歪み情報源符号化における代表的な符号のひとつであるが,ベイズ符号の有限符号語長の理論評価式を用いて,分類問題の誤り確率の精密な評価を行った.さらに,具体例に対して実用的なデータ長を仮定したもとで,分類誤り確率の上界と下界を数値として導出した.(R-2)上記の文脈木に関連して,従来研究されてきた確率モデルである文脈木を含む一般的な確率モデルの定式化を行い,そのもとで期待値や事後確率を効率的に計算するアルゴリズムを導出した.(R-3)情報源符号化問題において,「区間ごとに文脈木モデルが変化する非定常情報源」という従来考えられてきた情報源クラスを含むような情報源に対する効率的なベイズ符号化アルゴリズムを構築した.(R-4)文脈木を用いて記述される画像生成確率モデルを仮定した下でベイズ基準における最適な雑音除去アルゴリズムの構築
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2017-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)