民族創生の臨界点
【研究分野】文化人類学(含民族学・民俗学)
【研究キーワード】
民族創成 / 人種主義 / 社会運動 / アフロ系 / 先住民 / 多文化主義 / 市民社会 / 民族 / 民族運動 / 人種差別 / マスメディア / マイノリティ表象 / 文化表象 / マイノリティ / 境界 / 民族創生 / 混血 / 文化混淆 / 差別
【研究成果の概要】
当研究の目的は、ベネズエラとコロンビアのアフロ系民族運動の比較研究であった。90年代以降ラテンアメリカ各国で展開した公定多文化主義の潮流のなかで、1991年新憲法により黒人が民族としての法的認知を得たコロンビアと1999年のボリーバル主義憲法で「多民族・複数文化社会」の構築を宣言しながらも「アフロ系人」が民族としての法的認知を得るにはいたらなかったベネズエラを民族創成の比較事例としてとりあげた。
しかしながら、21世紀に入り急速に激化したコロンビアの内戦状況の中、コロンビア農村部の治安は悪化の一途をたどり、日本国外務省ならびに各保険会社から「紛争地域」と指定されている。このため、当初の2年度においてはコロンビア調査を実施することができなかった。やむなく対象を先住民運動に拡げ、ベネズエラ調査に集中した。ようやくコロンビア首都ボゴタにおけるアフロ系運動調査が実現したのは3年次、コロンビア太平洋岸ならびにカリブ海岸農村部における現地調査が実現したのは4年次に入ってからであった。
この4年間のおもな活動は以下のとおり。
カラカス調査(1年〜4年次)「アンデス諸国民俗文化財国際会議」参加、研究発表(1年次、2年次).ベネズエラ中央大学ポストドクター研究所客員研究員として現地調査を実施。国際会議において口頭発表した(1年次〜2年次)。ボゴタ調査(3年次)。ベネズエラ、アマソナス州調査(3、4年次)。コロンビア太平洋岸・カリブ海岸調査(4年次)
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2001 - 2004
【配分額】3,100千円 (直接経費: 3,100千円)