移動通信における人工知能を用いたシステム制御技術の研究
【研究キーワード】
次世代移動通信 / へトロジーニアス・ネットワーク / 干渉抑圧技術 / 機械学習 / 強化学習 / 教師無し学習 / 移動通信 / システム制御 / ニューラルネットワーク / 干渉抑圧 / 送信電力制御 / 送信ビームフォーミング制御 / Deep Learning / 誤差逆伝搬法 / Dropout / 変分法的ベイズ推定 / 干渉キャンセル / 送信制御 / EMアルゴリズム / Message-Passing アルゴリズム / 人工知能
【研究成果の概要】
次世代移動通信のへトロジーニアス・ネットワークにおいて,受信機も干渉キャンセル機能を有することを前提に,複雑かつ膨大な演算量を要する統合送信技術を低演算量で,かつ最適システム容量を達成するように制御することを検討した.
具体的には,MIMO (Multiple-Input Multiple-Output) 通信で7セル以上のセルラーシステムを想定し,受信機の干渉キャンセル機能として,線形受信では最適な MMSE (Minimum Mean Square Error) を検討した.全システムの通信路容量を最大にするよう,昨年度と同様,機械学習の強化学習 (Reinforcement Learning)を送信電力及び送信ビームフォーミングの制御に適用した.計算機シミュレーションにより,演算量が膨大となる最適化手法(全探索)に較べ,システム容量の劣化を抑えられ,かつ全探索よりも演算量を大幅に削減できることを確認した.
さらに,教師信号の情報を不要とするため,機械学習の教師無し学習 (Unsupervised Learning) を適用し,Adam Algorithmを用いて学習の収束速度向上を図った.加えて,3セル以上にも適用できるように,評価関数を修正して自律分散制御法の導入を検討した.計算機シミュレーションにより,7セル,3セクターアンテナのセルラーシステムにおいて,同様にシステム容量を改善できることを確認した.
上記の検討例は MMSE を前提にしていたが,現在,固有モード伝送及び注水定理に基づく送信電力制御を行い,1セルでの通信路容量を局小的に最大化し,これを他セルでも繰り返し行うことでシステム全体の通信路容量の最大化を検討しており,自律分散制御のための計算機シミュレーション・プログラムを作成中である.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
張 裕淵 | 東京工業大学 | 工学院 | 助教 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2018-04-01 - 2023-03-31
【配分額】5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)