仮想身体に対する運動主体感は報酬系神経回路の賦活に貢献するか
【研究キーワード】
身体所有感 / 主体感 / 報酬 / 仮想現実 / 脳 / 運動主体感 / 報酬系
【研究成果の概要】
本研究の目的は「仮想身体であっても,それを自分が主体となって運動させることに成功し,かつ運動感覚を知覚すると報酬系神経回路が賦活 する」という仮説を明らかにすることである。本研究が達成されれば,脳卒中などの中枢神経障害により感覚運動麻痺を呈する患者のリハビリテーションに当該研究手法を適用した場合の効果機序を解明することにつながり,治療として新しいアプローチを開拓できる。このように本研究は,脳卒中などの中枢神経障害により感覚運動麻痺を呈する患者のリハビリテーション,あるいはスポーツなどで運動学習する過程において,ヒトが“報酬”を感じることの本質を科学的に理解するための挑戦的研究である。
2019,2020年度に実施した内容を基に,2021年度では以下の内容を実施した。
1.下肢切断者を対象に自身の義足に対する身体化に関する研究について,研究計画の立案および本実験の実施を行った。機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて,下肢切断者が自身の義足映像を観察しているときの脳活動(BOLD信号)と対象自身が感じている義足への印象,所有感,および身体機能との関係性を探索的に調査することを目的としている。下肢切断者5名,健常者4名のデータを取得済である。
2.自己身体運動-視覚刺激による運動錯覚が快情動に及ぼす影響を検証する研究の計画立案を行った。予備実験にとりかかる前の段階まで終了している状況である。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
牛場 潤一 | 慶應義塾大学 | 理工学部(矢上) | 准教授 | (Kakenデータベース) |
新藤 恵一郎 | 慶應義塾大学 | 医学部(信濃町) | 講師(非常勤) | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】挑戦的研究(開拓)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】25,610千円 (直接経費: 19,700千円、間接経費: 5,910千円)