精神性立毛反応の生起に関わる神経基盤の解明
【研究キーワード】
立毛 / 鳥肌 / 随意的立毛 / 脳機能計測 / 自律神経系 / 感情 / 随意制御 / fMRI
【研究成果の概要】
2021年度は、当初計画における【研究項目①:VGP能力保持者の選定】を実施するとともに、【研究項目②:VGPの脳機能計測による精神性立毛の神経基盤の解明】を実施するための予備的な検討と環境構築を行った。
【研究項目①:VGP能力保持者の選定】については、随意的に立毛を生起できる能力(Voluntary generated piloerection: VGP)を有した個人を特定するためのweb調査を実施するとともに、web調査で特定された個人のVGP能力を検証するため郵送調査を実施した。2021年度は自薦による募集を行い、新規に3名のVGP候補者を特定した。また、郵送調査では鳥肌の計測機材を2020年度以前に特定したVGP候補者も含めて送付し、VGP能力が定量的に確認された11名のVGP保持者を特定した。これらのVGP保持者の協力は【研究項目②:VGPの脳機能計測による精神性立毛の神経基盤の解明】を実施する上で不可欠であり、最終的には40名程度のVGP保持者で構成される実験参加者プールを確保する予定である。2021年度終了時点で、従来特定を進めていた10名前後のVGP保持者と合わせて20名程度のVGP保持者の協力が見込める状況であり、実験参加者の募集状況は順調である。
【研究項目②:VGPの脳機能計測による精神性立毛の神経基盤の解明】については、新型コロナの拡大状況下において実験参加者を対象とした研究の遂行に大きな制約があり、実質的な研究を実施することが困難であった。そこで、脳機能計測と並行して実施するfMRI計測環境下における立毛の客観的計測環境の整備を中心とした活動を行った。具体的には、生理学研究所で保有する高磁場対応カメラの現場適応を行い、磁場ノイズの影響の少ない立毛画像の撮影に成功した。この成果により、2022年度以降の脳機能計測実験では立毛の高精度な計測が可能となる。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
飛谷 謙介 | 長崎県立大学 | 情報システム学部 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
川上 愛 | 早稲田大学 | 文学学術院 | その他(招聘研究員) | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)