視覚誘発電位を用いた色覚特性と視認性の客観的計測法の開発
【研究分野】医用生体工学・生体材料学
【研究キーワード】
視認性 / 色覚 / 視覚性事象関連電位 / P300 / 客観的計測 / 一対比較法 / 無彩色刺激
【研究成果の概要】
本研究は,色刺激に対する視認性の客観的計測の開発と,色覚障害者の視認性評価への展開を目的として、従来の第一次視覚野のVEPを角いた色覚特性計測法に,高次連合野における視覚性事象関連電位P300の計測を組み合わせた計測法の実現を図るものである.本年度は,従来提案してきたVEPの非線形解析による計測のための刺激パターンを,P300計測用の高頻度標準刺激と低頻度標的刺激の2種類とし,それらをランダムの順序で提示して,P300を計測する方法についての原理確認を行った.
表示刺激は2種類のアルファベット文字とし,一方を標準刺激(高頻度出現),もう一方を標的刺激(低頻度出現)として,1:4の比率で計100回,ランダムな順序で提示した.このとき,刺激文宇部分を疑似ランダム系列(2.04秒)に基づいて点滅させた.これらの刺激に対する視覚性事象関連電位波形を,頭部全域(10箇所)で記録した,その結果,主に頭頂から後頭部の電位波形と疑似ランダム系列の相関関数から,P300成分相当の波形が得られ,本手法の有効性が示唆された.さらに,より少ない加算波形からも同等の結果が得られたことから,疑似ランダム系列刺激の適用により,より短時間の計測を実現できると考えられる.しかしながら,測定されたP300相当の成分と視認性の関係についての評価は十分なデータを得ることができず,今後の課題として残された.また,疑似ランダム系列の性質上刺激時間長に制約があることや,事象関連電位のS/N比を考慮して,短時間化と推定精度を検討する必要があるが,この点も今後の課題として残された.
【研究代表者】
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2004 - 2005
【配分額】3,500千円 (直接経費: 3,500千円)