創発的計算にもとづく生命・知能・機能・芸術の新しい展開
【研究分野】知能情報学
【研究キーワード】
人工生命 / 創発 / ロボット行動 / 食物連鎖 / 人工生命アート / 絶滅 / 進化的計算 / 中立進化 / 仮想現実 / カオス / 分岐図 / 人口生命 / 遺伝的アルゴリズム / 進化 / 自己組織 / 分類子システム / 人工生命芸術
【研究成果の概要】
本研究では、人工知能における迷路探索や危険物回避などの知的行動を創発的に学習するニューラルネットやオートマン、動物行動に対する分類システムによる強化学習、遺伝的アルゴリズムによるシラサギ等の遺伝的・行動学的モデル、仮想現実におけるマルチエイジェントの構築、協同作業におけるグループ作業の創発的モデル、カオスの縁における生命の発祥モデル、コンピュータグラフィックにおける新しい人工生命的芸術、などが精力的に研究された。特に、ロボット巡航学習、鷺のコロニー形成、食物連鎖の安定性などに関する人工生命的研究では、著しい創発性と非明示的知能の獲得が確認された。ロボット行動における複雑な行動パターンが極く小さなオートマンに埋め込まれているという発見や、有限資源環境における食物連鎖の不安定と種の絶滅を示唆する結果など注目すべき成果が得られている。これらの成果の一部は、単行本「人工生命の夢と悩み」(裳華房)、国際集会ALIFE-IVにおいて発表され、内外の広い読者へ提供されている。グラフィックアートにおいては、河口によって人工生命的な手法を用いた成長モデルが、世界的な業績と認められ、多くの作品が内外で発表された。また、研究代表者らは1994年4月に、つくばにおいて人工生命祭を開催し、ポスター発表、著明なゲストLangtonやBrooksらとの討論とグラフィックプレゼンテーションを行った。また「つくば人工生命セミナー」「囚人のディレンマコンテスト」などを主催し、筑波大学のグループのアクティビティーの高さは内外で注目された。
【研究代表者】