マルチエージェント方式による自己診断修復機能を有する電力システムの構成とその運用
【研究分野】電力工学・電気機器工学
【研究キーワード】
電力工学 / システム工学 / マルチエージェント / コンピュータネットワーク / 制御工学 / 電圧管理 / 安定化制御 / 遠隔調整 / エージェント / ネットワーク / 安定度制御 / マルチエージェントシステム / 実時間診断修復 / 電力潮流管理 / 電力供給信頼度 / 実時間安定度評価 / 情報ネットワーク / 実時間モニタリング / 実時間安定度評 / 実時間モニタリン
【研究成果の概要】
コンピュータネットワーク上に構成される機能分散型の統合化システムであるマルチエージェントシステムを用いた自己診断修復機能を有する電力システムの構築とその運用に関する提案を行いその有効性に関する検証を行っている。
コンピュータネットワークを介した情報配信方式としては、ファイル共有方式とTCP/IP方式を基本としている。複数のパーソナルコンピュータによりコンピュータネットワーク上に構築した実時間ディジタルシミュレータを用いた実時間シミュレーションにより、提案する通信方式の有効性を検証している。また、コンピュータネットワークでの情報伝送遅延時間が無視できない場合の対応策についても明らかにしている。さらに、提案方式による発電機制御装置の制御パラメータの遠隔調整や制御性能の遠隔評価についても実験的に検証している。
マルチエージェントシステムによる広域的な運用・管理・制御の代表的な事例として、電圧および潮流管理のためのルールベースを提案し、系統状態の診断結果の表現、電圧違反あるいは潮流違反が発生している場合の制御機器および制御方策の決定方法について検討し、シミュレーションによりその有効性を明らかにしている。さらに、マルチエージェント方式による電力システムの実時間安定度評価方式の提案や安定度制御方式の提案とその有効性についても明らかにしている。本研究により、地理的な広がりを有する電力システムの電圧および潮流状態の診断、安定度の評価が可能となり、電圧違反や潮流違反が発生した場合の修復制御、安定度のマージンが充分確保できない場合の安定度制御などを可能とする複数のプラットフォームが構築された。
【研究代表者】