知識発見技術による身体スキルの言語化
【研究分野】知能情報学
【研究キーワード】
スキルサイエンス / 暗黙知の言語化 / 時系列データマイニング / 動作一貫性制約 / メタ認知 / 力学モデル / 発想推論 / スキル創造・診断支援 / 属性発見 / 身体スキル / スキルの力学モデル / 鞭力学 / 体のインピーダンスの調節 / 帰納論理プログラミング / 着眼点の発見 / 人工知能 / 認知科学 / 機械学習 / 感性情報学 / スキル科学
【研究成果の概要】
本研究課題では知識発見技術によって身体スキルを言語化する方法論の確立を目指して研究を実施した。身体スキルの対象としては、主としてチェロの運弓動作および野球のバッティングを取り上げた。スキルの言語化のために、(1)身体スキルの力学モデルの構築と候補属性の発見、(2)時系列データマイニングによるスキルルールの抽出、(3)メタ認知に基づく着眼点の抽出、(4)発想推論に基づくスキル創造・診断支援システムの構築、を実施した。
(1)では、振り子モデル、回転モデル、鞭モデルを取り上げて、それらの力学モデルの身体動作への適用を行い、身体知の言語化における力学モデルの有効性を検証するとともに、具体的な身体動作での有用な着眼点を発見した。(2)では、肯定的なスキルルールとして、体幹から抹消への動作の移行のような供応現象の抽出に成功した。また、否定的なスキルルールとして、動作一貫性制約の抽出に成功した。(3)では、バッティングを取り上げて、その動作に対する自己分析を継続的に続けることにより、意識の広がりを確認し、それに伴うスキルの飛躍的向上の現象を観察した。(4)では、チェロの演奏を例として、パフォーマンススキル創造・診断支援系を設計し、それに基づく、与えられた課題をこなすための奏法の提案・実際の演奏の診断の可能性を探った。その結果、本アプローチの妥当性を確認した。
成果発表会を兼ねて、昨年9月にスキルサイエンス国際シンポジウムを開催し、研究発表の場を提供すると共に、パネル討論等の議論を通して将来のスキルサイエンスの発展の可能性を探った。
【研究代表者】