知覚-運動モデルに基づく転倒リスクアセスメントツールの開発
【研究キーワード】
視知覚モデル / 筋協調解析 / 赤池情報量 / テキストマイニング / 転倒実態解明 / 転倒予防 / リスク評価 / 動態解析 / データマイニング
【研究成果の概要】
本研究では転倒のうち多数を占める躓き・ふらつきに着目したリスク因子の探索・発見を目的とし,(A)心身機能低下が転倒を引き起こす機序のモデル化,(B)データ科学的アプローチによる転倒を引き起こす要因の探索手法の提案,(C)予防のためのスクリーニングテストの開発を目指している.
今年度は特に研究項目(A)及び(C)に関する内容に重点的に取り組んだ.今年度の実績については下記の通り.
(1) 研究項目(A)及び(C)で躓き・ふらつきの転倒モデルを得るのに必要な計測のため,新型コロナウイルス感染症の感染者数が少ない時期に研究への参加協力者を募ることに成功した.計測を実施するための準備も進める中で,新型コロナウイルス感染症の感染が再拡大し,研究代表者が妊娠中であったこと・研究参加協力者が65歳以上の高齢者であったことから,双方の感染リスクを鑑み,予定していた計測を見送らざるを得なくなった.
(2) 研究項目(C)については,基礎として想定している躓きモデルに対し,検討を続ける中で新たに考慮すべきパラメータが出現したため,若年者に対して検証のための実験を実施した.この実験の結果については成果発表の準備が進んでおり,来年度国内学会にて発表予定である.
(3) 研究課題(B)について,今年度は新型コロナウイルス感染症の影響により計測による運動データが得られる見込みがなくなったため,昨年度開発したテキストマイニングによる転倒実態把握手法を用い,事故情報のテキストデータから日常生活の中で転倒に至るきっかけとなる動作を転倒リスクの大きな動作として抽出することを試みた.この結果についても現在論文執筆中で,来年度雑誌論文として投稿の予定がある.
今年度は本研究の成果を公表するには至らなかったが,上述の通り,次年度以降の研究成果公表に向けて発表準備を進めており,来年度には発表が可能な見込みである.
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)