羽田空港を対象にした航空交通管理手法のヒューマンインザループシミュレーション評価
【研究キーワード】
航空交通管理 / 航空管制 / 空港運用 / ヒューマンインザループシミュレーション / シミュレーション実験 / マンマシンインターフェイス / HMI / シミュレーション / ヒューマンマシンインタラクション / 複雑系
【研究成果の概要】
本年度は、羽田空港に到着する航空交通流を模擬するヒューマンインザループシミュレーション実験環境を構築し、実験のデモンストレーションを成功させた。
具体的には、ユーロコントロール実験研究所および電子航法研究所と連携し、羽田空港に到着する主要な航空交通が通過するT25およびT24空域を対象にして、実際の航空交通・気象データおよび空域・経路・ウェイポイントなどのアダプテーションデータ等を利用し、シミュレーション対象とする時間帯において飛行計画に沿って航空交通を発生させ、実験のデモンストレーションを実施した。
そして、データサイエンス(航空交通・気象データの利用、統計手法・機械学習の応用)と数理モデル(待ち行列モデル、マルチエージェントモデル、多目的最適化等)を組み合わせ、到着遅延時間を削減し、空港および周辺空域において航空交通の渋滞を緩和し、かつ燃料消費量を削減する、航空交通管理システムの設計と運用を提案し、数値シミュレーション実験により有効性を評価した。具体的には、羽田空港の北風運用を想定し、T25およびT24空域の入域地点等において、通常であれば34L滑走路に到着する航空機を、ピーク時において3機程度、34R滑走路に誘導し、かつ前機と機体間隔が小さい航空機に対して一定の速度減速を指示するアルゴリズムを実装することで、到着遅延時間だけでなく空港面の走行時間を削減することなどを定量的に示した。これらの研究成果を、ジャーナル論文3篇や学会発表論文7篇等にまとめて発表した。
さらに、提案システムと運用方法の実装を模擬し、ヒューマンインザループシミュレーション実験により管制官の操作性を評価するために、戦略的な到着順序づけと速度制御の目標値を管制卓に示して視覚的な管制支援を行う表示方法と手順を設計し、実験環境への実装に着手した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
土屋 武司 | 東京大学 | 大学院工学系研究科(工学部) | 教授 | (Kakenデータベース) |
立川 智章 | 東京理科大学 | 工学部情報工学科 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2020-04-01 - 2024-03-31
【配分額】17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)