データ駆動型医療用超音波診断システムによる心機能の自動評価
【研究キーワード】
医療用超音波診断システム / 医療用超音波診断 / 機械学習 / エコー画像
【研究成果の概要】
本年度は疾患マウスを用いて解析を行い、心機能維持における低酸素、血管新生シグナルの役割を解析した.さらにマウス心エコーから心内膜の境界を抽出するアルゴリズムを構築した.さらに多関節ロボットを用いた心エコー動画の自動撮像システムを構築した. 以下にそれぞれについて述べる.
疾患マウスの解析から,組織低酸素環境を可視化する独自のイメージング技術を用いて、心臓リモデリング組織が低酸素環境にあることを明らかにした。その上で,疾患マウスの心エコー解析のために,心内膜の境界を抽出する手法を提案した.なめらかかつ柔軟に心内膜の境界を抽出するためにガウス過程回帰と画素値の差を併用するアルゴリズムを提案し,拍動の様子を評価する手法を構築した.
適切な超音波自動診断手法を構成するためには,多関節ロボットを被検査者の生体情報と連動する形で駆動し撮像を行う必要がある.特に心エコーの撮像においては検査者は被験者の呼吸状態を適切に誘導した上で撮像を行うため,呼吸情報との連動は適切な撮像に向けた重要なポイントとなる.そこで,準備として被験者が寝ているベッドを基準として座標系,ロボットの腕を基準にした座標系,被験者の体位を中心とした座標系の間の数理的な対応関係を整理し,その時々で適した座標系から運動指令を与えることができるようにした.その上で被験者への呼吸指示と多関節ロボットの駆動によるプローベの操作,撮像のタイミングを調節することで,適切な呼吸状態での撮像を可能とした.また,撮像画像からリアルタイムで特徴的な動きのモードを自動抽出するシステムを構築し,基礎的なシステム開発を推進した.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
武田 憲彦 | 自治医科大学 | 医学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
仙波 宏章 | 東京大学 | 医学部附属病院 | 届出研究員 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2018-04-01 - 2022-03-31
【配分額】44,850千円 (直接経費: 34,500千円、間接経費: 10,350千円)