分子の3次元幾何構造に関する計算手法の開発と応用
【研究キーワード】
3次元分子構造 / 類似性判定 / 汎用的最小二乗偏差G-RMSD法 / 分子設計 / 反応予測
【研究成果の概要】
分子の立体的な構造は活性や物性を決める重要な要素の1つであり,近年のコンピュータ性能の向上によって高精度かつ大規模な3次元(3D)分子構造データの獲得と蓄積が可能となってきた。本研究では,データサイエンスの活発化と相まって今後さらに活発化すると期待される3D分子データ活用のための新技術の確立と実証を目指し,データ化学と離散情報学を融合させた効率的アルゴリズムを開発し,分子の3D幾何構造に関する応用研究を実施する。具体的には,我々が最近開発した汎用的3D分子類似度判定法G-RMSDを中心に新規アルゴリズムを開発し,分子設計や化学反応予測等における従来法では困難な問題の解決に挑戦する。
令和3年度は以下の3点について重点的に研究を実施した。
まず,G-RMSDを中心とした新規アルゴリズムの1つとして,分子間のRMSD最小値の最適解を保証する厳密解法を開発,実装した。2点目として,商用ソフトウェアMATLABで動くG-RMSDプログラムコードをフリーオープンソースコードOctaveに移植し,汎用性を向上させた。3点目として,分子動力学シミュレーションによる化学反応過程に存在する点としてサンプリングされる分子構造群を最もエネルギーの低い経路を辿る線で繋ぐ最安定経路を同定する新手法開発の基礎データとなる分子動力学シミュレーションを実施した。
【研究代表者】
佐藤 寛子 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(機構本部施設等) 大学共同利用機関等の部局等 准教授
(Kakenデータベース) 【研究分担者】 |
岩田 覚 | 東京大学 | 大学院情報理工学系研究科 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2021-04-01 - 2026-03-31
【配分額】4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)