力覚を用いたネットワークコラボレーションの研究
【研究分野】情報通信工学
【研究キーワード】
触覚コラボレーション / 遅延 / ジッタ / メディア同期 / ブロードバンドネットワーク / 帯域圧縮 / デッドレコニング / 主観的品質 / 触覚 / 3次元GIS / モダリティ / 粘性 / コンテンツ配信 / 複数経路 / ネットワーク遅延 / パケットロス / FEC / 階層的伝送 / コラボレーション / 力覚 / 符号化 / マルチモーダル / 大域圧縮 / モデル化 / 主観評価
【研究成果の概要】
近年のインターネットの高速化に伴い、音声や画像等の既存メディアのみならず、触覚メディアを介した意思伝達や協調作業の可能性が現実のものとなりつつあり、実験レベルの成果が報告されてきた。しかしながらこれらの先行研究は、アプリケーションの開発自体を目的としたロボティックス分野の研究者によってなされてきたものが主であり、理想的な実験回線を想定したシステムが殆どである。しかしながら、現実のネットワークでは、帯域の制限、無視し得ない遅延、パケットの欠落が生じるため、これらに対する対策を施さない限りは、力覚を用いたコラボレーションアプリケーションを円滑に動作させることは不可能である。このような観点から、本研究では力覚を用いたコラボレーションにおける、ネットワークに関連する課題を解決することを目的とした。具体的には、現実のネットワークで不可避である帯域制限、遅延、パケット欠落に対する方策としての、力覚の符号化、遅延補償のためのメディア同期、パケットロス対策の3つの課題の解決を図った.そのため、これらネットワークの不完全性の主観的QoSを測定し、例えば100ミリ秒以上の遅延がある場合には、本質的にQoSの劣化が免れ得ないことなどを示した。まだ、符号化については、2次の予測符号化とdead-reckoningの組み合わせにより1/10以上の帯域圧縮が図れることを示した。遅延補償のためのメディア同期については、まず1つの触覚ストリームに対して、ジッタを完全に吸収する手法と、これを全く吸収しない中間的な制御が最適なQoSとなることを示した。パケットロスに対してはdead reckoningによってこれを補償する手法を示した。更に、これらの個別手法を組み合わせた統合的な対策を触覚コラボレーションを行う際の標準手法としてまとめあげた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
小松 邦紀 | 東京大学 | 生産技術研究所 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2001 - 2003
【配分額】14,500千円 (直接経費: 14,500千円)