不均一誤り保護と依頼計算を応用したディジタル動画像の著作権管理に関する研究
【研究分野】情報通信工学
【研究キーワード】
著作権保護 / 電子透かし / 情報セキュリティ / マルチメディア / ネットワーク / 電子商取引
【研究成果の概要】
電子透かしにおける画像の歪みと通信路容量との関に係関する研究
電子透かしのモデルを単純化することにより、電子透かしを除去することの困難性、埋め込む透かしの情報量およびコンテンツ劣化と間の関係を理論的に捉え、それらの間に成立する関係を明らかにした。結果、あるモデルの基における電子透かしの通信路容量(攻撃が加えられた後での読み出せる情報量)と画像劣化との関係が明らかとなった。
非対称電子透かしに関する研究
電子透かしの読み取り方式を一般に公開したとしても、透かしを消去することが困難となる電子透かし方式(非対称電子透かし)の概念を提案し、それを実現する具体的な手法を提案した。多くの電子透かし方式では透かしの読み取り方法を攻撃者に知られると、その攻撃者によりその透かしを消される可能性があるため読み取り方式を一般に公開することができない。提案方式では、電子透かしの読み取り方式を一般に公開することができ、一般の利用者が耐タンパー装置等を利用することなく透かし情報を読み出すことができ、なおかつ、透かし消去の危険性を小さくすることができる。
ディジタル動画像に適した効率的な電子透かしに関する研究
MPEG動画像に適した電子透かし手法を提案し,透かしの耐性について評価を行なった.提案手法は複号・再符号化をを行なわないため,処理にともなう画像劣化を抑え高速に透かし画像を生成することができる.また,埋め込み情報の取り出しにオリジナル画像を必要とせず,フォーマット変換後も情報の取り出しが可能である.シミュレーション結果からは,提案方式が再符号化・信号処理などの攻撃に対して耐性を有することが確認された.しかし,処理の最適化,画質・耐性の評価に関してはさらに深い議論が必要であろうと思われる.さらに,動画像にパッチワークを施して位置検出のための情報を埋め込み,幾何学的改変を受けた画像に対して位置情報をもとに補正を行う手法を提案した.実験結果から,従来の電子透かしと併用することにより,従来の手法では検出が不可能だった非線型変換を含む幾何学的改変後の画像から電子透かしを読み取ることが可能になることを示した.
販売者側での不正行為を考慮したコンテンツ配布プロトコルおよび不正加入者特定方式に関する研究
情報の漏洩者を考慮することのできる情報配布プロトコルを提案し、それをコンテンツの配布プロトコルおよび不正加入者特定方式に応用する方法を提案した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
松浦 幹太 | 東京大学 | 生産技術研究所 | 講師 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】1998 - 1999
【配分額】12,200千円 (直接経費: 12,200千円)