放射量周波数選択化による導波管スロットアレーアンテナの低干渉化の研究
【研究キーワード】
アンテナ / ミリ波 / 導波管 / 周波数選択 / 低干渉 / 導波管スロットアレーアンテナ / 放射量周波数選択
【研究成果の概要】
本研究課題では放射量周波数選択特性を有する高効率・高利得なミリ波帯導波管スロットアレーアンテナの実現を目指し,アンテナ設計法の確立,構造の簡素化を研究した.
設計法として最適化不要な一意的設計法を検討した.反射特性は所望の特性を実現したが,利得の周波数特性は解析値より低下していることが判明した.2種の空洞共振器を用いる測定法を構築し,導電率を評価した結果,側壁面の導電率が大幅に低下していることが判明した.製造誤差に強い構造として,金属ブロックを誘電体基板で置き換える構造を検討した.幅広スロット層やスリット層を2層設けることで,金属ブロックと同様の特性が得られることを確認した.
【研究の社会的意義】
電波は有限な資源であり,効率良く使用することが求められる.通常,アンテナは使用する周波数帯の両側に不必要な電波を放射するため,隣接するシステム間に隙間を設けて周波数を設定する.この隙間は互いの不要な電波が混信し使用するのが不可能である.本研究課題の研究成果を用いることで,システムをより密に配置することが可能になり,電波の有効利用が可能になる.
本設計手法は最適化が不要な一意的設計法であり,効率的なアンテナ設計が可能になる.また設計したアンテナのコンポーネントごとの特性を知ることができ,ボトルネックとなっているコンポーネントを抽出することも可能である.
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2018-04-01 - 2020-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)