情報通信ネットワークに関する性能評価モデルの総合的研究
【研究分野】社会システム工学
【研究キーワード】
情報ネットワーク / 性能評価 / トラヒック理論 / 待ち行列理論 / 通信方式 / コンピュータ・ネットワーク / ISDN / LAN / コンピュータネットワーク
【研究成果の概要】
今年度は、第2回シンポジウムを平成7年1月23日〜25日の間に幕張で開催し、大学の研究者52名、企業の研究者19名および学生36名が参加し、45件の論文が発表された。論文内容は、情報システム、通信ネットワーク、生産システムなど幅広い応用を含み、待ち行列理論による基礎的モデルからシミュレーションによる具体的なモデル分析までについて活発な討論が行なわれた。なお、第1回シンポジウムから6件の論文が、性能評価の学術雑誌として世界的権威のあるPerformance Evaluation誌の1995年8月号に掲載されることが決まった。
月例研究会は9回開催され、ATM(非同期転送モード)ネットワークにおける制御、生産工程に於けるジョブショップ制御、集積法による超並列計算機、通信におけるトラヒック推定、ペトリネットによる性能評価、応答性能に対する最適化目標、などのモデルについて発表・討論が行なわれた。なお、情報ネットワークに関する性能評価モデルの論文のデータベース化は、入力データが不十分なため今後データを蓄積しながら整理・分析を継続していくこととする。
補助金が交付されてきた約1年半の期間は、シンポジウム2回および月例研究会13回の開催に重点を置いて活動してきた。シンポジウムには延べ186名の参加があり、また月例研究会には1回当り平均20数名の参加があった。本研究は、計算機や通信ネットワークに関する性能評価研究に従事している大学や企業の研究者に、情報交換や研究討論のための学会横断的な機会と場を提供し、国外に対しても研究状況に関する情報を発信でき、所期の目的を達成できたと考える。今後は、情報通信ネットワークの複合化・大規模化の傾向に対応して新たな性能評価の研究が一層必要となるため、関連分野の研究者からなるこのような学際的研究グループでの総合研究を継続することが望まれる。
【研究代表者】