大自由度モデルに基づくデータ同化のための革新的4次元変分法の開発
【研究分野】統計科学
【研究キーワード】
データ同化 / 4次元変分法 / 最適化 / 不確実性評価 / 地震 / 時系列解析 / モデリング / Ginzburg-Landau方程式 / マルコフ連鎖モンテカルロ法 / 地震波 / 摩擦
【研究成果の概要】
次世代型4次元変分法のプロトタイプ版を開発し、2次元空間内における地震波伝播シミュレーションコード等に実装した。双子実験によって地下構造に関する物性パラメータの最適値推定と不確実性評価が可能となることを示した。また、本手法を実装する新たな対象として、磁性体内における磁化パターンの時空間変化を記述する時間依存Ginzburg-Landau方程式の数値シミュレーションコードを新たに開発した。これらの成果については、国際誌ならびに国内外の学会において発表を行った。
本研究で開発した次世代型4次元変分法のソースコードについては、現在、公開に向けた準備を進めている。
【研究の社会的意義】
本研究で開発した次世代型4次元変分法により、従来型4次元変分法では不可能であった広域最適解探索と不確実性評価を一挙に解決することが可能となり、大規模数値モデルに基づくデータ同化の関連分野、特に気象予報業務や地震発生予測研究にとっては大きな転回点となるであろう。特に地震学においては、地震発生直後の迅速な地震波動場推定や、巨大地震発生メカニズムの理解に直結するプレート境界における断層すべりの時空間モデルの構築など、将来的に地震防災・減災に資する手法となる可能性が本研究によって拓かれた。
【研究代表者】