発見的数値解析利用を実現する並列分離型連成フレームワークの創成
【研究キーワード】
計算工学 / 連成解析 / 大規模並列 / 数値解析 / 大規模並列解析
【研究成果の概要】
2019年度に、有限要素法による並列構造解析ソルバーであるADVENTURE_Solid、有限要素法による並列電磁場解析ソルバーである ADVENTURE_ Magnetic、SPH 法による並列自由表面流れ解析ソルバーである MScPHy の開発および高度化を実施した。2020年度は、これらのソルバーを組み合わせた大規模並列連成解析の実現のために、分離型連成解法および領域分割型並列化アルゴリズムの一般化等を実施し、ソルバー連携のための基幹技術を確立した。
本課題の後半2年 (2021~2022年度) は、2020年度までに開発してきた個別技術の高度化を引き続き進めつつ、これらを基に、各工学分野において重要な実問題の連成解析実施が中心となる。2021年度はまず、吉村・金子を中心に、これまでに羽ばたき飛翔体向けに開発されてきた大規模並列流体構造連成解析システムに対し、圧電素子解析システム・制御システム・回路システムを連結し、アクティブ制御やエナジーハーベスタの定量評価が可能となるよう数理面・実装面の拡張を行った。分担者の浅井・三目は、個々に実施してきた開発項目を統合し、波浪に対する総合防災の観点から、津波・土砂・沿岸構造物の連成解析を実施した。個別要素法による粒状体の解析技術とSPH法による流体解析 (MScPHy) の連成解析システムの開発と、固体間の接触摩擦を考慮した流体構造連成解析システムの開発を実施した。荻野・武居を中心に、主に癌の温熱治療への応用を目的とし、ADVENTURE_ Magneticに熱伝導ソルバーを連結させた電磁界-熱伝導連成解析システムを開発した。リエントラント型空洞共振器アプリケータの高周波電磁界解析ベンチマークモデルTEAM29を用いて妥当性検証および並列化効率の改善を実施した後、NICT数値人体モデルを対象とした大規模解析を実施した。
【研究代表者】