Siの選択ドープ横方向固相成長に関する研究
【研究分野】応用物性
【研究キーワード】
固相成長 / 横方向成長 / SOI / 非晶質シリコン / 三次元集積回路 / 選択ドーピング / シリコン / 選択ドープ法 / MOSFET / 横方向固相成長 / 選択ドープ構造 / エピタキシャル成長 / イオン注入
【研究成果の概要】
非晶質Si膜の横方向固相成長法(LーSPE法)において、P原子を膜中に選択的に導入した場合の効果について検討し、実際にこの方法を用いて電効効果トランジスタを製作している。まず、選択ドープの方法には3種類あることを明らかにし、本研究では成長方向に選択性を持たせた場合と、表面に垂直な方向に選択性を持たせた場合とについて検討している。
成長方向への選択ドープでは、シードストライプに平行な幅2〜20μmの領域を残して、他の部分にP原子を3×10^<20>cm^<-3>程度ドープし、LーSPE成長を行なった。この結果、ノンドープ領域では成長速度が遅く、Pドープ領域は成長速度が速いことが明らかとなった。また膜中に製作したMOSFETにおいて、チャネル長2μmのデバイスで電子の移動度160cm^<-2>/VSが得られた。
次に、基板表面に垂直な方向への選択ドープに関して、LーSPE成長速度ならびに成長距離は、表面のPドープ層に大きく依存するが、非晶質Si膜厚には余り依存しないことを明らかにした。また、Pドープ層とノンドープ層との成長速度には顕著な差は見られず、成長端には1つの(111)ファセントが形成されることを明らかにした。さらに、このような成長特性は、成長端に形成される原子的に平坦な面上での核発生速度がP原子の存在によって加速されるというモデルで説明できることを示した。
最後に、多層に積層した非晶質Si膜を1回のアニールにより一括してLーSPE成長させる方法が、3次元ICの製作に適していることを明らかにし、その技術的問題点を検討した。最大の問題点として、上下を絶縁膜ではさまれた非晶質Si膜のLーSPE特性について検討し、絶縁膜がSiO_2の場合には膜厚を1.8μmまで厚くしても成長特性には大きな影響が表れないことを明らかにした。
【研究代表者】