非定常な地震活動に対する点過程モデルと予測手法の開発
【研究キーワード】
繰り返し地震 / 地震予測 / 更新過程 / 非定常点過程 / 東北地方太平洋沖 / スプライン関数 / 大森・宇津の法則 / 東北地方太平洋沖地震 / Brownian Passage Time分布 / 相対的蓄積率 / スロースリップ / データ同化
【研究成果の概要】
前年度に開発した周辺域の大地震による余震誘発効果を考慮した中規模繰り返し地震の非定常更新過程モデルについて,三陸はるか沖の大地震が数年毎に発生している領域近辺におけるプレート境界付近の小中規模繰り返し地震系列へと適用した.過去の大地震による繰り返し地震活動の誘発効果をそれぞれ推定したところ,大地震ごとに誘発効果の大きさや時間減衰が大きく異なることが示された.しかしながら,周期的なスロースリップによる群発的な繰り返し地震活動に対して提案したモデルは十分な当てはまりを示さず,大地震による余震誘発効果だけでは群発活動に対して説明が付かないことが示唆された.そこで,大地震による誘発効果以外でのプレート沈み込み速度の時空間変化による繰り返し地震活動の変化を時空間スプライン関数を用いて表現した非定常更新過程モデルを開発した.特に,時間領域には自然3次スプライン関数,空間領域には薄板スプライン関数という異なる種類のスプライン関数を適用してテンソル積で組み合わせる表現方法を用いることで,時間方向のスプライン関数を補外して将来の繰り返し地震活動を短期的に予測する手法を開発した.
また,中規模繰り返し地震とその周辺域における大地震との関係性について,領域ごとに大地震に先行して中規模繰り返し地震が発生する割合や先行するタイムラグについて分析を行い,大地震の予測に向けて中規模繰り返し地震活動が有効となる可能性が示された.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
田中 昌之 | 気象庁気象研究所 | 地震津波研究部 | 主任研究官 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)