経済・金融多変量データのベイズモデリングと政策・行動の確率的評価
【研究分野】経済統計
【研究キーワード】
ベイジアン・アプローチ / マルコフ連鎖モンテカルロ法 / 確率的ボラティリティ / 実現ボラティリティ / ポートフォリオ最適化 / ベイズ統計学 / ボラティリティ / 高頻度データ / 確率的ボラティリティ変動モデル / ベイズ推定 / 一般化双曲非対称t分布 / マルコフスイッチング / 長期記憶性
【研究成果の概要】
株式の収益率などの多変量金融時系列は、その分散や相関係数が時間を通じて変動することが知られている。その変動を予測することは、ポートフォリオの最適化など投資の統計的リスク管理にとって重要である。本研究ではその計量経済モデルをいくつか構築し、マルコフ連鎖モンテカルロ法を用いたモデル・パラメータの推定方法を開発した。特に日中取引などの高頻度データを考慮することで、推定や予測の精度を改善した。
【研究の社会的意義】
年金などの資産の運用は、通常株式や債券などを組み合わせて行っており、それぞれの資産のウェイトは、それらのリターンやリスクを考慮して決められる。これらのリターンやリスクは、日々変動していることが知られており、そのモデル化がポートフォリオの最適化や統計的リスク管理にとって重要である。このため、本研究では、このリスクの変動を多変量確率的ボラティリティ変動モデルとしてモデル化し、推定・予測方法を開発した。このモデルではパラメータ数が非常に多く従来の方法では推定が困難になるが、ベイジアン・アプローチを用いたマルコフ連鎖モンテカルロ法によって、その問題を克服している。
【研究代表者】