量子最適化計算の拡張定式化による新基軸確立とその古典・量子計算両面での問題解決
【研究分野】情報学基礎理論
【研究キーワード】
量子計算 / 量子最適化 / 量子回路設計 / 量子グラフ状態 / エクスパンダグラフ / 分散量子計算 / 凸多面体 / 量子近似最適化 / 量子アニーリング / Isingモデル / 分配関数 / ノイズ付き量子コンピュータ / 量子計算理論 / 最適化 / 多面体的組合せ論 / メタヒューリスティック / 量子コンピュータ / グラフ枝向き付け / Euler閉路 / トポロジカル量子計算 / 量子エンタングルメント / 分散量子情報 / メタヒューリスティックス / Iceモデル / 6点モデル / 量子ネットワーク / 量子測定計算 / 量子測定 / 量子情報 / 凸多面体的組合せ論
【研究成果の概要】
量子計算の優位性をBell不等式の破れの周辺で理論・実験的に検証することに取り組んだ。一般化Bell不等式とカット多面体の関係を踏まえ、量子グラフ状態に対するスケーラブルな不等式を、近似量子コンピュータで実験して破れを検証した。足切り横断マトロイドの多面体の拡張定式化の直接的な多項式オーダの記述法を与えた、最大カット問題を近似的に解く古典・量子の近似最適化法を解析した。エクスパンダグラフを用い量子グラフ状態での量子優位性を理論的に示した。最適化手法を用いて、耐エラー性をもつ量子回路で必須のTゲート数最小化を古典論理の範囲を超えて、真に量子的最適化した量子回路を示すことができた。
【研究の社会的意義】
初期の量子コンピュータが、ノイズの関係で浅い回路の範囲で有効であると見通し、基本問題の一般化Bell不等式の研究を理論的に進めたことで、研究期間中に利用可能となった100量子ビット以上の量子コンピュータでの計算で量子性が検証できた。このことは、これからの量子計算能力実証のベースになるものである。さらに、量子グラフ状態でのグラフ理論を活用して、量子計算機の能力が古典コンピュータを超えるものであることも示せており、将来展望を開く成果となっている。量子回路設計でも多様な最適化回路を提示することができ、量子回路にそれらが実装されることで、社会問題の解決を支える基礎の構築ができている。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
山下 茂 | 立命館大学 | 情報理工学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2015-04-01 - 2020-03-31
【配分額】43,290千円 (直接経費: 33,300千円、間接経費: 9,990千円)