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高知大学 研究Discovery Saga
2026年10月9日

農林海洋科学専攻1年の楠瀬智士さんが、第35回日本ダニ学会大会において、ベストプレゼンテーション賞(BPA)を受賞しました

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
自力での長距離移動が難しい小型動物が、他の動物を利用してどのように分散しているのか、その仕組みの解明につながることが期待
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
複合領域環境学農学
【Sagaキーワード】
プレゼンテーション/海洋/海洋科学/哺乳類

公開日:

概要

伊藤桂教授の研究グループに所属する楠瀬智士さん(農林海洋科学専攻1年)が、第35回日本ダニ学会大会(鶴岡市)において、「ヤドリカニムシ科の一種における便乗行動」と題して研究成果を発表し、ベストプレゼンテーション賞(BPA)を受賞しました。
カニムシは、体長数ミリメートルほどの小型のクモガタ類で、尾の無いサソリのような形態を持つのが特徴です。カニムシの中には、昆虫や哺乳類など他の動物の体に付着して運ばれる「便乗」と呼ばれる分散行動を行う種が知られています。しかし、野外で便乗行動を観察することは難しく、宿主への付着から離脱に至るまでの一連の行動は十分に明らかになっていません。
本研究では、ヤドリカニムシ科の一種とカミキリムシ類を実験室内で人為的に接触させることで、カニムシの一連の便乗行動を観察しました。その結果、複数のカニムシ個体でカミキリムシへの便乗が確認され、その状態は1~10日間にわたって継続しました。また、便乗中のカニムシが、はさみ状の触肢を交互に使いながら、遊具の「うんてい」のように宿主の触角や体表を移動する特徴的な行動が観察されました。
本研究の重要な成果は、野外では直接観察することが難しいカニムシの便乗行動を実験室内で再現し、付着後の行動を定量的に明らかにしたことです。これまで、カニムシの触肢は主に獲物の捕獲などに用いられる器官であると考えられてきましたが、本研究により、便乗中に宿主の体表を移動する際にも重要な役割を果たすことが明らかになりました。
今後は便乗時にみられる行動の機能や、便乗を可能にする形態的特徴について検証を進めます。これらの研究を通じて、自力での長距離移動が難しい小型動物が、他の動物を利用してどのように分散しているのか、その仕組みの解明につながることが期待されます。