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京都大学 研究Discovery Saga
2026年10月9日

紀伊半島の干潟から新種の二枚貝

―ホシムシに共生する貝における隠れた種分化―

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
環境学生物学農学
【Sagaキーワード】
海洋/種分化/海洋生物/生物多様性/二枚貝
この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

研究者情報

研究者名
後藤 龍太郎
京都大学 教育研究活動データベース 
研究者名
Chiharu Shinomiya
Orcd

概要

後藤龍太郎 京都大学フィールド科学教育研究センター助教、四ノ宮千遥 同大学大学院理学研究科博士後期課程学生、大城匡平 同修士課程学生(研究当時)、田中眞人(日本貝類学会会員)らの研究グループは、干潟の砂泥中にすむ環形動物スジホシムシモドキ類の体表に共生する小さな二枚貝「コハゼガイ」を、奄美群島と紀伊半島南部で採集し、形態・生態・DNAの情報を総合的に調べました。その結果、これまで1種と考えられてきたコハゼガイは、見た目はよく似ているものの遺伝的には明確に異なる3種からなる「隠蔽種」の集まりであることが明らかになりました。このうち温帯の紀伊半島にすむ種は、殻がやや細長く、幼生期の殻が大きいことでも区別できたため、新種「キイノコハゼガイPlanktomya kiiensis」として記載しました。本種は亜熱帯の奄美群島にすむ種と最も近縁であり、緯度勾配に伴う水温や宿主の違いが種分化を促した可能性が示唆され、海洋生物の種分化を考える上で重要な知見となります。本研究成果は、2026年9月9日に国際学術誌「Organisms Diversity & Evolution」にオンライン掲載されました。
画像

新種キイノコハゼガイPlanktomya kiiensis。舌のような形の大きな足でスジホシムシモドキ類の体表に付着して暮らす。(撮影:後藤龍太郎)

研究者のコメント
「本研究により、干潟に隠れた生物や共生系の多様性の一端をまた一つ明らかにすることができました。海洋の共生生物は非常に多様で、生物多様性を形作る重要な要素ですが、その種分化プロセスには不明な部分が多く、今回の研究成果が、その解明の一助になればと思います。」(後藤龍太郎)
 

詳しい研究内容について

紀伊半島の干潟から新種の二枚貝―ホシムシに共生する貝における隠れた種分化―

関連部局

フィールド科学教育研究センター 理学部・理学研究科