[Top page] [日刊 研究最前線 知尋] [Discovery Saga総合案内] [大学別アーカイブス] [Discovery Saga会員のご案内] [産学連携のご案内] [会社概要] [お問い合わせ]

高知大学 研究Discovery Saga
2026年9月24日

農林海洋科学専攻2年の世良京香さんが、日本畜産学会第134回大会において、優秀発表賞を受賞しました

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
高知県独自の希少家畜の遺伝資源保全と、哺乳動物の発生・核リプログラミングの原理解明の両面から研究をさらに発展させることが期待
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
情報学環境学生物学工学農学医歯薬学
【Sagaキーワード】
プログラミング/海洋/海洋科学/クローン/卵母細胞/個体発生/微細構造/ウシ/畜産学/哺乳動物/遺伝資源/核移植/細胞膜/細胞株/受精/受精卵/線維芽細胞/DNA損傷/リプログラミング/細胞核/精子/妊娠

公開日:

概要

松川和嗣准教授の研究グループに所属する世良京香さん(農林海洋科学専攻2年)が、日本畜産学会第134回大会において、「凍結乾燥体細胞を用いた希少和牛品種の遺伝資源保存とクローン個体作出」と題して研究成果を発表し、優秀発表賞を受賞しました。
家畜の遺伝資源は、希少品種の保全や災害時の生産基盤維持、将来の育種にとって重要です。現在、精子や受精卵、体細胞などの保存には主に液体窒素が利用されていますが、継続的な補充や設備管理が必要であり、輸送や災害時の保存にも課題があります。
本研究では、液体窒素に依存しない新しい遺伝資源保存法として「凍結乾燥(フリーズドライ)」に着目しました。希少な和牛品種である褐毛和種高知系(土佐あかうし)から線維芽細胞株を樹立し、凍結乾燥後の細胞膜、増殖能、DNA損傷、微細構造などを詳細に評価しました。さらに、これらの凍結乾燥体細胞を除核したウシ卵母細胞へ移植する体細胞核移植を行い、得られた胚を受胚牛へ移植した結果、妊娠が成立し、2頭のクローン子牛が誕生しました。このうち1頭「ほまれ」は現在も発育しています。
本研究の科学的に重要な点は、単に新しい遺伝資源保存技術を示したことだけではありません。細胞としての生存性を失った体細胞であっても、核に必要な情報が保持されていれば、卵母細胞の働きによって再び個体発生へとつながり得ることを示しました。
今回の受賞を励みに、今後は高知県独自の希少家畜の遺伝資源保全と、哺乳動物の発生・核リプログラミングの原理解明の両面から研究をさらに発展させることが期待されます。