「人前で泣く人」と「ひとりで泣く人」の違いとは?
~性格との関係が明らかに~
【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
![]() | 泣きが人間関係の形成やメンタルヘルスに果たす役割の解明につながることが期待 |
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
【Sagaキーワード】
研究
概要
本学共同教育学部の宮代こずゑ助教は、大学生を対象とした調査から、ひとりで泣くか人前で泣くかという選択には性格特性が関わっていることを明らかにしました。一般的に泣きには、自分の気持ちが落ち着いてスッキリするという機能や、周りからの支援を引き出す機能があると考えられています。一方で、状況によっては、人前で泣くことが能力不足や弱さの表れとみなされる場合もあります。人は年齢と共に人前での泣きを抑制する傾向があると先行研究からも示されていますが、その背景には、こうした対人関係上の不利益を避けようとする働きが関係している可能性があります。
本研究では、この、人前での泣きを抑制するという現象に着目しました。より具体的には、日本の大学生が日常的に経験するような泣きを6つのカテゴリに分けて捉え、大学生たちがそれらの泣きをどのような状況で経験したかについて、質問紙調査の回答を詳しく分析しました。
その結果、性格のうち「調和性」と呼ばれる特徴、つまり他者への思いやりや協力を重視する傾向が高い大学生ほど、悲しんでいる身近な人の前では泣かず、ひとりになってから泣くという結果が示されました。
ここから、日本人大学生はどんな状況でも同じように泣くわけではなく、周りの状況によっては人前での泣きを抑えること、そうした選択には個人の調和性が関わっていることが示されました。こうした知見は、涙を単なる感情表現ではなく、相手や状況に応じて調整される社会的なコミュニケーション行動として理解する新たな視点を提供するものです。今後は、泣きが人間関係の形成やメンタルヘルスに果たす役割の解明につながることが期待されます。
本研究は、学術誌「Acta Psychologica」にオンライン版で公開されました。
・刊行年月日:2026年8月1日
・著者:Kozue Miyashiro & Amane Sugiura
・論文名:Situation-dependent emotion regulation in Japanese university students: Crying alone or in the presence of others?
・URL:https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0001691826013703
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宇都宮大学 研究