悪性脳腫瘍に有効な既存薬剤を同定
【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
![]() | ロメリジンが膠芽腫幹細胞を標的とした新規治療薬として有望であることを示唆しており、膠芽腫患者の再発や進行を抑え、 長期予後を改善する可能性が期待 |
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
【Sagaキーワード】
染色体構築/神経生理学/抵抗性/片頭痛/悪性脳腫瘍/治療抵抗性/治療標的/自己複製/自己複製能/染色体/脳神経外科/放射線治療/膠芽腫/幹細胞/ドラッグ・リポジショニング/遺伝子/化学療法/手術/生理学/脳腫瘍/放射線
医薬保健研究域医学系、教授
中田 光俊NAKADA, Mitsutoshi
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2026/8/4
概要
金沢大学附属病院脳神経外科の一ノ瀨惇也助教、金沢大学医薬保健研究域医学系統合神経生理学の三枝理博教授、 がん進展制御研究所遺伝子・染色体構築研究分野/ナノ生命科学研究所(WPI-NanoLSI)の平尾敦教授、 金沢大学医薬保健研究域医学系脳神経外科学の中田光俊教授らは、膠芽腫幹細胞を標的とした新規治療薬剤としてロメリジンを同定しました。膠芽腫(※1)は、悪性脳腫瘍の中で最も発生頻度の高く、極めて治療が難しいがんです。手術、放射線治療、化学療法を組み合わせた治療が行われていますが、2 年生存率は50%以下にとどまり、依然として予後不良な疾患です。膠芽腫細胞の中には膠芽腫幹細胞(※2)と呼ばれる特殊な細胞が存在します。これは自己複製能力と多様な細胞への分化能力を持ち、再発や治療抵抗性の原因に関係すると考えられています。このため、膠芽腫幹細胞を効果的に死滅させることができれば、 膠芽腫を完治させることができる可能性があります。
本研究グループは、この膠芽腫幹細胞を治療標的とする薬剤として、 ドラッグ・リポジショニング(※3)の手法を用いて既存薬剤であるロメリジン(※4)を同定しました。ロメリジンは、片頭痛の予防薬として広く使用されている薬剤です。
本研究成果は、ロメリジンが膠芽腫幹細胞を標的とした新規治療薬として有望であることを示唆しており、膠芽腫患者の再発や進行を抑え、 長期予後を改善する可能性が期待されます。膠芽腫幹細胞を直接標的とした治療は未だ存在しないことから、ロメリジンを用いた新規治療が膠芽腫診療を大きく前進させることが期待されます。
本研究成果は、2026年3月24日午前9時(米国東海岸標準時間)に国際学術誌『JCI insight』のオンライン版に掲載されます。
金沢大学 研究