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京都大学 研究Discovery Saga
2026年7月30日

熱を近赤外光に変換するカーボンナノチューブ膜

―中温域熱光発電の高効率化に道筋―

【注目の成果:共同研究・産学連携のためのチェックポイント】
700〜1000℃程度の中温域の熱は、工業炉や焼却炉、高温作動型の燃料電池など、社会の様々な場面で発生しており、中温域で高効率なTPVが実現すれば、その波及効果は大きいと期待
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
数物系科学総合理工工学総合生物農学医歯薬学
【Sagaキーワード】
カイラリティ/光物性/近赤外/光起電力/ナノサイエンス/単層カーボンナノチューブ/赤外光/誘電体/熱力学/カーボン/カーボンナノチューブ/高効率化/熱伝導/半導体/量子効果/励起子/ナノチューブ/エネルギー変換/近赤外光
この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

研究者情報

研究者名
宮内 雄平

京都大学 教育研究活動データベース 

概要

東京大学大学院工学系研究科および京都大学エネルギー理工学研究所(兼任)の宮内雄平 教授、東京理科大学理学部第一部物理学科の西原大志 准教授、東京大学大学院工学系研究科の檜作未央子 助教らの研究グループは、構造(カイラリティ)の揃った単層カーボンナノチューブ(SWCNT)の集積膜をヒーターからの熱伝導により加熱し、量子効果の一種である励起子効果に由来した放射ピークを持つ励起子熱放射をマクロスケールのSWCNT膜から観測することに初めて成功しました。また、SWCNTと透明誘電体からなる平面4層の素子構造により、励起子熱放射のピーク強度を熱力学的限界の80%弱まで増強できることも実証しました。本成果は、従来の半導体とは大きく異なるSWCNT膜の熱光物性を明らかにするとともに、熱放射を光起電力セルに入力して発電する熱光起電力発電(熱光発電、TPV)技術において、既存のTPVが苦手とする中温域(700〜1000℃程度)での高効率化の鍵となる、高性能な波長選択型熱エミッターの実現に有望な道筋を示すものです。本研究成果は、2026年7月29日午前10時(英国夏時間)に国際学術誌「Nature Communications」に掲載されました。
画像

カーボンナノチューブ膜からの励起子熱放射の模式図 ©️宮内研究室

研究者のコメント
「本成果は、1本のカーボンナノチューブを対象に私たちが積み重ねてきたナノサイエンスの知見を、マクロスケールでのエネルギー変換技術へと繋げていくための土台となるものです。当初は材料技術と測定技術の両面で様々な課題がありましたが、多くの学生・研究室スタッフの皆さんの協力で一つ一つ乗り越え、今回の成果発表に至りました。技術開発の面で解決すべき課題はまだ多くありますが、これからも一歩一歩、着実に研究を進めていきたいと考えています。」(宮内雄平)

詳しい研究内容について

熱を近赤外光に変換するカーボンナノチューブ膜―中温域熱光発電の高効率化に道筋―

関連部局

エネルギー理工学研究所