筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)の客観的診断に資する血中細胞外小胞の成分を発見
〜特発性疲労やうつ病との識別・病態解明へ一歩進展〜
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
【Sagaキーワード】
機械学習/神経系/マイクロ/マイクロRNA(miRNA)/機能解析/バイオバンク/細胞外小胞/日常生活/病態解明/RNA/血液/内分泌/miRNA/うつ/うつ病/バイオマーカー/遺伝子/遺伝子発現/慢性疾患

化学
2026.07.30
研究のポイント
・血中の細胞外小胞(EV:Extracellular Vesicle)内マイクロRNA(miRNA)の包括的解析により、ME/CFS特異的なバイオマーカー候補(miR-21-5p, let-7f-5p, miR-26b-5p, miR-20a-5pなど)を特定しました。・機械学習モデルを用いた解析によって、ME/CFS患者を判別が難しいとされていた疲労病態(特発性慢性疲労(ICF)やうつ病)と高精度に識別可能であることを示しました。
・変動したmiRNAの機能解析により、神経系のネットワーク障害や代謝・内分泌系の機能異常など、ME/CFSにおける全身性の病態メカニズムとの関連が示唆されました。
国立大学法人三重大学医学部附属病院バイオバンクセンター(消化器内科学)の江口暁子准教授、関西福祉科学大学健康福祉学部の福田早苗教授、名古屋大学大学院工学研究科の安井隆雄教授らの研究グループは、ME/CFS患者の診断に使用できる可能性がある血中の細胞外小胞に含まれるマイクロRNA(miRNA)を発見し、その成果が2026年7月27日、Journal of Translational Medicineにオンライン掲載されました。
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用語解説
・筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS): 原因不明の強い倦怠感が6ヶ月以上続き、日常生活に重大な支障をきたす慢性疾患。・細胞外小胞: 細胞から分泌される膜に包まれた微小な小胞。タンパク質やRNA(miRNA含む)などを放出し、細胞間の情報伝達に重要な役割を果たす。
・マイクロRNA(miRNA): 20〜25塩基程度の小さなRNAで、遺伝子発現を調節する役割を持つ。疾患の進行や状態に応じて血液中の発現量が変動するため、バイオマーカーとして注目されている。
論文情報
掲載誌:Journal of Translational Medicine掲載日:2026年7月27日
https://doi.org/10.1186/s12967-026-08695-w
論文タイトル:Circulating extracellular vesicles-microRNAs as potential biomarkers for the identification of ME/CFS: differentiating fatigue-releated conditions
著者:Akiko Eguchi, Hirohiko Kuratsune, Yasuhito Nakatomi, Takao Yasui, Ryo Nakagawa, Yasuyoshi Watanabe and Sanae Fukuda
研究代表者
大学院工学研究科 安井 隆雄 教授https://yasuilab.chembio.nagoya-u.ac.jp/
名古屋大学 研究