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想定に漏れた環境変化にしなやかに耐える実行時モデルフレームワーク代表研究者
【研究種目】基盤研究(B)
【研究領域課題番号】18H03225
【審査区分】小区分60050:ソフトウェア関連
【研究期間】2018-04-01〜2022-03-31
【研究キーワード】自己適応システム / 実行時モデル / Graceful Degradation / 離散制御器合成 / 環境モデル学習 / Graceful degradation
【配分額】16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
研究実績の概要
本研究では想定漏れの変化に耐えるGraceful Degradationを実現する実行時モデル更新技術を確立(実施項目1,2)し,その技術を反映した実行 時モデルフレームワークを用いた実証実験(実施項目3)により本手法の有効性と限界を明らかにする.2019年度は,2018年度に開発した要素技術を反映したフレームワーク開発を行い,初回の評価実験を行った.また,その結果に基づいて各要素技術を洗練化した.
実施項目3: 実証実験(担当: 鄭,本位田) 実施項目1,2で構築した技術を, 以前に開発した実行時モデルフレームワーク上に反映し,実証実験を通して確立した技術の有用性,限界を評価した.2019年度にはクローズドな環境で動作する自動倉庫管理システムを対象とした実験を行い,想定漏れの変化に対する品質維持能力や実行時モデル更新のオーバヘッドを評価した.
実施項目1: 環境モデルの実行時更新技術の確立(担当:鄭) 実施項目3の結果に基づき,2018年度に開発したLTSベースの環境モデル実行時更新技術を洗練化した.
実施項目2: 保証を伴う動作仕様の実行時導出技術の確立(担当:鄭) 実施項目3の結果に基づき,2018年度に開発した保証を伴う動作仕様の実行時導出技術を洗練化した.
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IoT向け自律協調自己適応機構とその形式検証手法の研究
【研究種目】基盤研究(B)
【研究領域課題番号】18H03229
【審査区分】小区分60060:情報ネットワーク関連
【研究期間】2018-04-01〜2022-03-31
【研究キーワード】自己適応システム / IoT / 自律協調システム / 形式検証 / セキュリティ・プライバシ
【配分額】17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
研究実績の概要
令和元,2年度は,(1) 個々の機器が検知できない環境変化に対し,他の機器が問題の機器の振舞いを監視し,環境変化の有無をそれらの機器が慎重に相談し合った上で気づくための協調手法の改良を行い,(2) 機器単体では対応できない環境変化に対し,自己適応機構同士で協調して適応する手法の改良を行い,(3) 複雑なシステムの振舞いが正しく機能することを保証する技術として有望視されている形式検証を適用することにより,協調動作が正しく機能するかどうかを検証する手法の改良を行い,(4) 協調動作を行う自己適応機構によるものも含め,IoT システムにおけるプライバシ侵害を防止する仕組みの改良を行い,(5) (1)~(4) の各機構・手法を統合した,IoT向け自律協調自己適応ミドルウェアの開発と予備実験を進めた.
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行動の意図を把握するソーシャルセンサ~物理センサ融合マイニング基盤
【研究種目】基盤研究(B)
【研究領域課題番号】18H03340
【審査区分】小区分62020:ウェブ情報学およびサービス情報学関連
【研究期間】2018-04-01〜2022-03-31
【研究キーワード】推薦システム / IoT / オープンデータ / マイニング基盤 / ソーシャルデータ
【配分額】17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
研究実績の概要
令和元年度は,(1) 匿名加工されたデータから,普遍的パターン及び雑音(物理データの本来の雑音及び,匿名化によって与えられた雑音)の除去アルゴリズムを開発し,(2) 個々のソーシャルデータに対して,状況・行動のそれぞれの正解ラベルを人手で付与し,また,ソーシャルデータは粒度や精度が異なるデータが混在しているため,入力値の粒度や精度を考慮した階層的な深層学習アルゴリズムを開発し,(3) 匿名化された物理データとソーシャルデータを,位置情報や日時等の情報を用い,同一人物の情報である可能性が高いデータ同士を多対多で紐付けるための異種混合Linked Data の設計を開発し,(4) ゴールに向けた行動を基にBayesian Belief Networkを構築することにより,ゴールを達成する可能性を高める行動及び低める行動の抽出を行い,(5) ソーシャルメディアデータ,物理センサデータから,最適な行動を推薦するアプリケーション例を開発した.
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しなやかなシステムを実現するマルチビュー実行時モデルフレームワーク
【研究種目】基盤研究(A)
【研究領域課題番号】17H00732
【研究分野】ソフトウェア
【研究期間】2017-04-01〜2022-03-31
【研究キーワード】自己適応システム / 実行時モデル / 協調プランニング / 自己適応ソフトウェア
【配分額】43,940千円 (直接経費: 33,800千円、間接経費: 10,140千円)
研究実績の概要
2019年度は,前年度の実験結果を踏まえたフレームワークの改良を行った.また,改良したフレームワークを用いた評価実験を行った.具体的には,3つ以上の品質を扱う自動運用ソフトウェアを開発し,アタッカーによる攻撃や,サーバの故障などセキュリティや頑健性に関連する様々な実行変化を想定した実験を行い,再構成プランの導出時間や,自動運用化による品質改善の観点から評価を行った.その結果を要素技術とフレームワークにフィードバックし,フレームワークの改良を行った.
[実施項目 3]マルチビュー実行時モデルフレームワークの開発(担当:本位田,吉岡) 実施項目 1,2の成果を統合したマルチビュー実行時モデルフレームワークを設計,開発した. 具体的には,Monitor-Analyze-Plan-Execute (MAPE)ループアーキテクチャパターンに基づき,既存の個別エンジンの最適化エンジンを組み込めるように設計した.
[実施項目 4] 実証実験,成果公開(担当:本位田) 本フレームワークの有効性と汎用性を評価する実証実験を行った.有用性を評価するため,評価用のシステムを開発,運用し,セキュリティアタック,ハードウェア故障,利用の劇的な集中といった環境変化に対する品位維持能力や適応時間を評価した.
[実施項目 1] マルチビュー実行時モデルによるシステム管理技術の確立(担当: 石川) 実験結果を踏まえて技術の洗練化を行った.
[実施項目 2] マルチビュー協調プランニング技術(担当:鄭) 実験結果を踏まえて技術の洗練化を行った.
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異種ユビキタスプラットフォームを横断する,保障を伴う自己適応に関する研究
【研究種目】特別研究員奨励費
【研究領域課題番号】16F16805
【研究分野】ソフトウェア
【研究期間】2016-11-07〜2019-03-31
【研究キーワード】自己適応 / ソフトウェア検証 / アクターモデル / Session Type / 自己適応システム
【配分額】2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
研究実績の概要
IoT環境で動作するアプリケーションなどでは,ハードウェア故障,ネットワーク切断,制御対象となる物理環境の変化など,実行時に様々な変化が起こりうるため,これらに耐えるような適用性が求められる.複数の機器にまたがり多数のプロセスが動作する中で,安全性等の観点で正しさが担保された適応動作を実現する必要がある.
本研究ではこのような適応動作を支援するための技術として,3つの取り組みを行った.第一に,様々なサービス,プロセス,機能オペレーションを統合したアプリケーションを開発するためのEnsemble言語を対象とし,実行時において,第三者により独立に開発された機能の発見,配備,置き換え,および相互作用を行うための機構を実現した.次に,上記のEnsemble言語に対して,Session Typeを扱うように拡張を行うことで,検証を実現可能にした.最後に,C++ Actor Frameworkという実用性の高い実装を対象とし,機械学習技術を活用して,機能部品の自動置き換え機能を実現した.
以上の取り組みにより,安全性を担保しつつ,効率性の高い自己適応の実現を支援する機構を確立することができた.Session Typeという理論的基盤に基づいた安全性検証を行う一方で,機械学習技術も用いて実践的な実証を行うことでき,自己適応のための包括的な枠組みを示すことができた.
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想定に漏れた環境変化に耐えるソフトウェアを実現する実行時モデル更新技術
【研究種目】挑戦的萌芽研究
【研究領域課題番号】16K12414
【研究分野】ソフトウェア
【研究期間】2016-04-01〜2018-03-31
【研究キーワード】自己適応システム / 実行時モデリング / 環境モデル学習 / 制御器合成 / 自己適応ソフトウェア / ソフトウェア工学
【配分額】3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
研究成果の概要
近年のソフトウェアシステムは環境変化に対して柔軟に動作を継続する自己適応性が求められる.従来の開発手法では,開発時に想定された環境変化に対してのみ保証を伴った適応を可能にする.しかし実行時に直面する環境変化を開発時に想定し尽くすことは困難である.従来の開発手法では想定漏れのリスクは避けられない.そこで本研究では「開発時の想定に漏れた環境変化」に対しても耐えるソフトウェアを実現するための実行時モデル更新技術を提案した.環境・要求・動作仕様モデルをシステムが実行時に保持し,想定から漏れた変化を環境モデルに反映し,安全性を保証する動作仕様をシステム自身によって実用的な速度で導出する技術を構築した.
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センサネットワークにおけるセンサデータの自己修復に関する研究代表研究者
【研究種目】基盤研究(C)
【研究領域課題番号】26330098
【研究分野】ソフトウェア
【研究期間】2014-04-01〜2017-03-31
【研究キーワード】自己修復 / センサーネットワーク / センサデータ
【配分額】4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
研究成果の概要
本研究では,センサデータに含まれるエラーを自動で除去する無線センサネットワークの自己修復手法を提案した.センサデータに含まれるセンサエラーは,物理状態の推定精度を落とす主要因となるため,可能な限り除去する必要がある.センサエラーは,ハードウェアの異常や物理環境の影響によって様々な種類があり,稼働時間とともに増大するため,無線センサネットワークを実運用する際の障害となっている.そこで,本研究では,人手を介さずにセンサエラーを除去することを目的とし,ソフトウェアによって稼働中にセンサエラーを検知・分類・除去する,スケーラビリティの高い自己修復手法を提案した.
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センサーソフトウェア工学の確立に関する研究
【研究種目】基盤研究(B)
【研究領域課題番号】25280026
【研究分野】ソフトウェア
【研究期間】2013-04-01〜2019-03-31
【研究キーワード】モデル駆動開発 / IoT / セキュリティ / パターン / アスペクト / プロダクトライン / センサー / 再利用 / アクチュエータ / ソフトウェア部品 / ソフトウェア工学 / ソフトウェア再利用 / MDD / センサーソフトウェア / センサー・ソフトウェア / センサーアプリケーション / ソフトウェア生成
【配分額】17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
研究成果の概要
センサーを利用した各種のアプリケーション・ソフトウェア(以下、センサーソフトウェアと呼ぶ)が広く利用されるようになり、より高い生産性で、より高い信頼性をもったセンサーソフトウェアを開発することが急務となってきている。しかし、それを実現するための多くのソフトウェア工学的手法においては、センサーソフトウェアであることの特質を活かしきれているとは言い難い。そこで、本研究では、これまで研究されてきている各種の手法の中で、対象ソフトウェアをセンサーソフトウェアに限定した場合に、どのような手法をどのように適応させていくべきであるのかについて明確にすることを実現した。
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想定外に備えた空間制御ソフトウェアの分析・設計・検証手法
【研究種目】基盤研究(A)
【研究領域課題番号】24240003
【研究分野】ソフトウエア
【研究期間】2012-04-01〜2015-03-31
【研究キーワード】ゴール指向要求分析 / ソフトウェアアーキテクチャ / モデル検査 / ソフトウェア工学 / ソフトウェア開発プロセス / 空間制御ソフトウェア / ソフトウェア進化 / ソフトウェア分析 / ソフトウェア設計 / ソフトウェア検証
【配分額】44,850千円 (直接経費: 34,500千円、間接経費: 10,350千円)
研究成果の概要
本研究では,空間制御ソフトウェアを対象とし,想定外に備えて迅速なソフトウェア進化を実現する分析,設計,検証手法を提案した.具体的には,(1)物理要素の制御に関する要求をゴールモデル上で明示化させるための制御ループ要求パターンをゴールモデル整形プロセス,(2)要求モデル上で明示化した制御ループ要求に対する実現責務を用意にトレース可能とする,制御ループモデルをモジュール単位として扱うソフトウェアアーキテクチャ,(3)制御ループ仕様の誤りを早期に発見可能とするための検証手法を提案した.さらにそれらの成果を統合した開発プロセスを構築し,スマートルーム内の清掃システムを開発し,その効果を評価した.
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対象追跡システムのための無線センサーネットワーク感度調整に関する研究代表研究者
【研究種目】若手研究(B)
【研究領域課題番号】23700096
【研究分野】計算機システム・ネットワーク
【研究期間】2011〜2013
【研究キーワード】無線センサーネットワーク / 対象追跡システム / 無線センサネットワーク / センサモデル / 自己修復 / センサエラー
【配分額】4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
研究概要
本研究では,無線センサネットワークを用いた対象追跡システムのためのセンサモデルを提案した.無線センサネットワークには厳しい資源制約があるため,ネットワークを長期に維持するには,対象追跡システムは期待される感度を満たしつつ,通信量を低減することが求められる.しかし,感度と通信量は一般にトレードオフであり,期待されるより高い感度で観測を行うと不必要に通信量が増大してしまう.そこで,本研究では,システム全体に期待される感度を最小限度で満たすことを目的とし,ネットワークを構成する各ノードの観測感度をソフトウェアによって調整可能とするセンサモデルとその調整手法を提案した.
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オープン無線センサーネットワークのためのミドルウェアに関する研究
【研究種目】基盤研究(A)
【研究領域課題番号】19200003
【研究分野】ソフトウエア
【研究期間】2007〜2009
【研究キーワード】無線センサーネットワーク / ソフトウェア工学 / ミドルウェア
【配分額】42,510千円 (直接経費: 32,700千円、間接経費: 9,810千円)
研究概要
次世代のソフトウェアであるユビキタスサービスの基盤インフラとなる,オープン無線センサーネットワーク構築のためのミドルウェアを研究開発し,公開した.本ミドルウェアを利用することで,長期にわたって安定運用が可能な無線センサーネットワークを構築することが可能となる.