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AVコンテンツ視聴時におけるユーザ主観評価推定に関する多角的研究代表研究者
【研究種目】基盤研究(C)
【研究領域課題番号】19K11932
【審査区分】小区分60060:情報ネットワーク関連
【研究期間】2019-04-01〜2022-03-31
【研究キーワード】AVコンテンツ / 主観品質評価推定 / ユーザ満足度 / ユーザ興味度 / コンテクスト / センサ情報 / 生体情報 / 機械学習 / 満足度 / 興味度 / ユーザ主観評価 / ユーザコンテクスト / QoE推定
【配分額】4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
研究実績の概要
AVコンテンツ視聴時におけるユーザの映像品質に対する主観評価を効率よく、かつ、精度良く推定する手法について、3年の研究期間の内、2年目の検討を終了した。具体的には、ユーザに装着する各種の生体情報測定器及びセンサ、並びに、ユーザが使用するデバイスから得られる多次元情報から主観評価を推定する手法を引き続き検討した。(1)固定されたモニタ環境でのAVコンテンツに対するユーザ満足度やユーザ興味度を考慮した主観評価推定、(2)モバイル端末環境でのユーザコンテクストも考慮した主観評価推定、の二つの研究課題について検討を行った。
(1)に関して、ビットレート変化を伴うAVコンテンツの主観評価をスライダを用いて時系列で取得した実験では、ランダムフォレストによる推定よりも、XGBoostによる推定の方が精度が高いことを確認した。しかしながら、スライダ操作及び筋電に由来するノイズが計測した脳波に混入している可能性があり、2020年度はこれらのノイズ除去手法についても検討を行った。検討の結果、独立成分分析によるノイズ除去手法が有効であることが分かり、脳波のみによる主観評価推定実験でもノイズ除去をしない場合と比較して高い推定精度が得られることを確認した。今後は、この手法を用いて、脳波のノイズ除去を前処理として適用することとした。
(2)に関して、2020年度は被験者を8名に増やし、1週間に渡るAVコンテンツ視聴実験を行った。CNN、ランダムフォレスト、XGBoost、k近傍法を使用し、時系列を考慮したコンテキスト推定を行ったところ、どの被験者においてもCNNで99%以上の推定精度を得ることができた。この際、食事やくつろぎといったコンテキストでは生体情報、具体的には、心拍情報が有効であることも確認した。一方、主観評価推定の検討においては、2021年度に予定する中規模実験の計画立案を行った。
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世界最高水準のモバイルICT環境を実現する次世代情報通信基盤と応用実証
【研究種目】基盤研究(A)
【研究領域課題番号】15H01684
【研究分野】情報ネットワーク
【研究期間】2015-04-01〜2019-03-31
【研究キーワード】モバイルネットワーク
【配分額】34,840千円 (直接経費: 26,800千円、間接経費: 8,040千円)
研究成果の概要
本申請の研究開発課題として以下を設定した。基盤技術として、(1) 無線通信履歴の取得、(2) 履歴を活用した品質予測、(3) 品質予測に基づく配信制御と経路探索、拡張技術として、(4) 大規模化、セキュリティ、センサー活用、新無線技術、QoE評価、(5) プロトタイプ実装。(1)~(3)に関しては、機械学習を適用した通信品質予測、QoEを最大化する適応配信制御、通信品質を最大化する移動経路提示、等の提案を行った。(4)~(5)に関しては、クラウド拡張、センサー利用による精度改善、実ネットワークにおける実装評価実験、等を行った。その上で、一連の研究成果を、査読付きの国際学会と論文誌で発表した。
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コンテンツ指向ネットワーキング基盤の大規模モバイルソーシャルネットワークサービス
【研究種目】基盤研究(C)
【研究領域課題番号】26330119
【研究分野】情報ネットワーク
【研究期間】2014-04-01〜2017-03-31
【研究キーワード】情報ネットワーク / インターネット / ネットワークアーキテクチュア / 情報指向ネットワーキング / ネットワークアーキテクチャ / 情報指向ネットワーキング(ICN) / 情報指向ネットワーキング(ICN)
【配分額】4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
研究成果の概要
次のような成果をCCN/NDNにおいて得ることができた。(1)コンテンツ・ソース・モビリティー(CSM)に対する新しい方式を提案し定式化して詳細な性能評価を行った。(2)ソーシャルネットワークで必要なPush方式に、CSM機能を追加した。(3)CCN/NDNパケットのアグリゲイション(統合)・セグリゲイション(分割)の手法を開発し、シミュレーションにより、効率性を確認した。(4)CCN/NDNではコンテンツ名でルーティングを行うため体系的なネーミングスキームの検討が必要である。ネーミングスキームの代表的な提案を整理分類し、ネー ミングスキームとしてリゾルバを前提としたものを提案した。
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生体信号を利用したアトモスフェア・メタデータの抽出・記述・利用に関する多角的研究代表研究者
【研究種目】基盤研究(C)
【研究領域課題番号】25330136
【研究分野】マルチメディア・データベース
【研究期間】2013-04-01〜2016-03-31
【研究キーワード】アトモスフェア・メタデータ / メタデータ / 瞳孔径 / 視線 / 基礎律動 / 生体信号 / 瞳孔径情報 / 視線情報
【配分額】4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
研究成果の概要
オーディオビジュアル情報選択の個人化と効果的なコンテンツ推薦システムの実現に向け、個人毎に異なる視聴者の情動反応を生体信号から直接抽出して利用する方法について研究を行った。本研究では、瞳孔径、視線、基礎律動等に着目し、それらの相互関係を含めて情動反応を分析した。分析の結果、複数の生体情報を用いることによって、個人毎に特徴的な情動反応を抽出できることが明らかとなった。また、個人間の特徴量の分析により、同じような情動反応を起こす視聴者をグループに分類できる可能性が示唆された。今後の課題として、大規模な視聴者データの獲得と実際のコンテンツ推薦システムでの性能評価があげられる。
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コンテンツ循環における永続的かつ無矛盾な権利継承の自動化に関する研究代表研究者
【研究種目】基盤研究(C)
【研究領域課題番号】19613006
【研究分野】知的財産マネジメント
【研究期間】2007〜2008
【研究キーワード】コンテンツ循環 / コンテンツ流通 / 権利継承 / 権利の永続性 / 権利の無矛盾性
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
研究概要
コンテンツ循環環境における永続的かつ無矛盾な自動権利継承処理手法を明らかにすることを通し、コンテンツの二次流通を促進する「権利継承技術」という新しい概念の明確化とその有効性を検証した。具体的には、権利処理における安全性と無矛盾性の確立、コンテンツの権利処理履歴と改版履歴管理手法の確立、コンテンツの利用条件記述手法の確立、コンテンツ構成情報記述手法の確立について検討・検証し、試作した映像編集システム上でその有効性を確認した。
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コンテンツ流通における開放型権利処理方式の多角的研究代表研究者
【研究種目】基盤研究(C)
【研究領域課題番号】15560339
【研究分野】通信・ネットワーク工学
【研究期間】2003〜2005
【研究キーワード】セキュリティ / コンテンツ流通 / ディジタル権利処理 / 開放性 / DRMシステム
【配分額】3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
研究概要
3年間の研究成果は以下の5点に集約できる。
1.端末に記録されるログ情報の正当性保証により信頼性のある情報交換ができることから、各種の権利情報を譲渡あるいは合併できる方式を提案した。
2.権利者によって発行された権利情報を柔軟に流通させ、更にその情報に対して再編や再加工等の処理を流通経路上で分散して行える方式を提案し、方式の有効性を示した。
3.権利処理のスケーラブルアーキテクチャとして、コンテンツ視聴に関する権利とそれに伴う実示の視聴制御を矛盾なく記述する方式を提案した。提案方式によって、コンテンツの部分々々に対して視聴者に許される行為をきめ細かく記述できると共に、コンテンツ間の視聴権利関係も記述することができる。更に、視聴者の嗜好に対応するターゲティングとコンテンツ代替という新しい機能も実現でき、その機能をプロトタイプによって実証した。
4.コンテンツと権利の効率的な送受信に必要となる各種の権利処理エンティティ機能と、エンティティ間の関係を明らかにした。即ち、利用許諾制御機能、権利継承制御機能、権利許諾管理履歴、機能の3つが必要であり、これらの機能がエンティティ内で利用できることを前提とすれば、コンテンツの1次流通だけでなく、2次流通も円滑に行えることを示した。
5.コンテンツ消費者もコンテンツ生産者となれる近未来の環境を「コンテンツ循環」と名付け、そこで発生するコンテンツ2次流通と権利処理の問題を検討して整理した。そして、矛盾なく派生権利情報を生成する手法、及びその記述言語を提案した。派生権利生成においては、2次流通時の利用を踏まえた元の権利の尊重と遵守、及び、元の権利と新たに発生する権利の無矛盾を保証する必要があり、これを自動的に処理する機能を提案言語は持っている。
今後の課題としては、5の検証システムの構築による提案方式の検証と評価が残されている。
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動画像の画紋情報による検索システムの研究
【研究種目】基盤研究(B)
【研究領域課題番号】11450151
【研究分野】情報通信工学
【研究期間】1999〜2000
【研究キーワード】動画像検索 / 画紋 / 動画像アーカイブ / 動画像インデキシング / 動画像同定 / MPEG / DCT / 動画像特徴 / CM送出確認
【配分額】14,900千円 (直接経費: 14,900千円)
研究概要
本研究プロジェクトでは,動画像アーカイブ実現のために必要な,動画像に固有な特徴情報を抽出する方法,動画像特徴を用いた動画像検索システムに関する研究を行うことを目的としている。本研究プロジェクトに先立ち,我々は本研究の基礎となる動作語を用いた映像検索方式等,各種映像検索方式や映像編集機能への応用等を研究してきた。これらの研究成果をべースとし,本研究では動画像を構成する各静止画フレームの平均色情報を3次元色空間に配置することで形成される形や軌跡が、動画像の特徴を表すという基本アイディアを考案し,研究を継続して行っている。この動画像特徴を本研究では、「画紋」と称している。平成11年度は,主に画紋を時間軸に射影した時間軸画紋について検討を行った。時間軸画紋とは,動画像を構成する各静止画フレームの平均色の時系列変化情報となり、横軸に時間、縦軸に画素値を取ると各色成分のグラフの一致・不一致を判定することで実現する。また,この検証のために画質の安定ない実際のテレビ放送からCHを検出する実験を行ったところ,検出漏れ0,過剰検出0を達成した。平成12年度は,画紋を使用したシステムを想定した方式検討を行った.具体的には,動画像アーカイブ中の大量の動画像コンテンツから、ユーザが望む動画像を高速,かつ高精度に検索するための階層的な動画像検索手法を検討した。この検討により,既提案の動画像検索手法より約13倍の高速化(実際の放送時間と比較し20,000倍)を達成することができた。また,「画紋」による動画像特徴情報抽出は,現在ISO/IEC JTC1 SC29 WG11(MPEG)で標準化が行われているマルチメディアコンテンツ記述インタフェース(MPEG7)の映像記述方式として提案し,採用されており,標準化活動にも大きく貢献している。
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本庄地域高度医療情報ネットワーク支援システムのための無線ATMの実用化研究
【研究種目】地域連携推進研究費
【研究領域課題番号】11792032
【研究分野】情報通信工学
【研究期間】1999〜2001
【研究キーワード】無線ATM / 無線LAN / 遠隔講義 / CATV / 高速光無線通信 / HD動画像配信 / MPEG-4 / 医療情報 / 超高速ATMネットワーク / 大容量コンテンツ配信 / DSM-CC / 無線ネットワーク / レーザ通信 / 高度医療情報 / 次世代CATV / 動画像伝送 / MPEG-2 TS
【配分額】13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
研究概要
1 研究目的 埼玉県本庄地域で実施されている「地域適合型高度情報通信サービスアプリケーションの研究開発」プロジェクトと連携し、アクセスネットワークに無線ATMを利用したネットワークを、本庄地方拠点都市地域における高度医療情報ネットワーク支援システムのインフラストラクチャとすることにより、無線ATMの実用化に関する研究を行う。
2 研究成果の概要と今後の研究展開 これまで連携先プロジェクトでは、埼玉県本庄地域と近隣町村に対し、広域無線LANの構築と高度医療情報ネットワーク支援システムの構築を進めている。本研究では、平成11年度において、高速光無線通信システムによる無線ATMネットワークの設計検討、基礎実験、連携先研究会とのシステム環境調査などの基礎検討を行った。平成12年度は、光無線ATMネットワークの構築、連携先プロジェクトへのネットワーク接続のためのアーキテクチャ設計と、HD動画像配信システム、MPEG-4映像伝送システムを用いたアーキテクチャ確認および、連携先研究会と共同での多地点遠隔講義の実証実験を行った。平成13年度は、近隣町村の神泉村での難視聴CATVに関するコンテント伝送システム検討や、光無線ATMネットワークを含む統合広域ネットワーク上における、HD動画像配信システムとMPEG-4映像伝送システムの実証実験を通して、無線ATMが実用的であることを確認した。また、高度医療情報に間するネットワーク支援システムとサービスシステムの検討を行うと伴に、本庄地域における医療機関の設置状況調査を行い、地域全体への研究システム適用に関する検討も行った。今後は、連携先プロジェクトの福祉・医療分野での研究開発に対して、本研究で得られた研究成果を十分反映できる様な研究協力を行っていく予定である。